研究課題/領域番号 |
26463286
|
研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
丸岡 直子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (10336597)
|
研究分担者 |
林 一美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (30279905)
武山 雅志 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50381695)
石川 倫子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80539172)
吉田 千文 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80258988)
樋口 キエ子 群馬医療福祉大学, 看護学部, 教授 (60320636)
田村 幸恵 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (20336605)
田淵 知世 (中嶋) 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (60638732)
林 静子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (30346019)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 在宅療養移行支援 / 退院支援 / 退院調整 / 外来ー病棟連携 / 地域包括ケア / 外来看護師 / 病棟看護師 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、外来ー病棟一元化在宅療養移行支援体制を構築し、看護師の患者・家族包括的在宅療養支援育成プログラムを開発することであり、平成28年度は以下のことを実施した。 1.在宅療養移行支援質指標の開発:質指標は外来看護師用と病棟看護師用の2種類を作成した。予備調査では、記述統計、GーP分析、I-T分析、探索的因子分析を行い、外来看護師用では4因子(37項目)、病棟看護師用では4因子(47項目)となり、本調査を実施した。本調査において、外来看護師用質指標では、外来看護師259名を対象とし、有効回答165名を分析した結果、4因子31項目を抽出した。その内容は、第1因子:入院前の生活アセスメント(6項目)、第2因子:入院する患者の課題の情報共有(6項目)、第3因:患者・家族への心理的支援(9項目)、第4因子:退院後の在宅療養状況の確認と支援(10項目)であり、指標全体のクロンバックα係数は0.964であった。病棟看護師用質指標では、病棟看護師642名を対象とし、有効回答447名を分析した結果、4因子38項目を抽出した。その内容は、第1因子:在宅療養上の課題アセスメント(14項目)、第2因子:在宅療養維持力への支援(9項目)、第3因子:院内外の多職種との連携(8項目)、第4因子:患者:家族への心理的支援(7項目)であり、指標全体のクロンバックα係数は0.965であった。 2.アクションリサーチを用いた外来ー病棟連携による在宅療養移行支援システム構築に向けた計画の検討を行い、その成果を研究参加者のシステム構築に対する考えや行動の変化を質的データ(面接内容など)からと外来看護師および病棟看護師を対象とした在宅療養移行支援行動に関する質問紙調査から明らかにすることとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師の在宅療養移行支援質指標は、外来看護師用と病棟看護師用の2種類を作成することしために時間を要した。さらに、作成した質指標を使用して、アクションリサーチ開始前後の病院看護師の在宅療養移行支援の実態を調査する計画としたために、質指標を作成するまでアクションリサーチを開始することができなかった。さらに、アクションリサーチの研究参加の意思を示していた病院看護師の異動に伴いその実施が困難となり、新たな研究協力病院を得るのに時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
アクションリサーチの方法論を用いて、臨床の看護師グループ(研究参加者)と研究者グループが協働し、臨床現場におけるシステム構築における目標(願い)を明確にしたうえで、臨床現場の課題に応じた教育プログラムの提供や課題解決の提供を行いながら、システム構築を目指す。この過程における、研究参加者の在宅療養支援システム構築に対する考えや行動の変化を質的データ(面接内容や検討会における発言内容)から、看護師の在宅療養移行支援行動を外来看護師および病棟看護師を対象とした質問紙調査から明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アクションリサーチによる研究計画の開始が遅れたために、それにかかる経費(テープ起こし料、交通費、質問紙調査郵送料、データ入力人件費)が次年度に繰り越すこととなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
アクションリサーチは平成29年6月から開始し、研究当所および終了時点での研究参加者へのグループインタビュー、前年度作成した在宅療養移行支援質指標を用いた外来看護師と病棟看護師への調査を実施する。
|