研究課題/領域番号 |
26463290
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
滝下 幸栄 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (10259434)
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研究分担者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80259431)
松岡 知子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90290220)
山本 容子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00321068)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | OSCE / 看護実践能力 / 看護基礎教育 / 継続教育 / 教育評価 |
研究実績の概要 |
1.平成26年に実施されたラダーレベル別OSCEの成績(100点換算)並びに課題完遂率は、順に、プレラダー:62.9点、23.7%、レベル1:85.4点、80.8%、レベル2:83.3点、91.3点、レベル4:80.8点、100%であった。また、平成23年~25年度までの3年間の平均得点は、74.8±4.6点であり、平均完遂率は69.7±22.1%であった。OSCE課題に含まれる状況判断に関わる評価に課題があることが明らかとなった。 2.平成26年度OSCEの運営評価では、プレラダーレベルでは、53.3%の受験者が、自己の技能を発揮できなかったとしており、46.7%がOSCE課題は難しかったとしていた。また、86.7%が看護実践能力の確認ができたとしており、93.4%が今後の自己の課題が明らかになったとしていた。レベル別では、78%以上のものがOSCE後のフィードバックが有効であると答えていた。そのほか、ステーション環境の調整や評価表の改善点が明らかとなった。 3.平成25年度の看護職員を対象とした看護臨床能力の調査では、教育ニード総得点が77.9±14.3点、卓越性自己評価の得点は125.9±21.4点であった。OSCEを含めた看護師育成プログラムを受講した看護師は、看護実践能力の向上が見られた。 4.臨床看護アドバンスOSCE評価体系表の作成:OSCEの結果並びに現行の教育内容から看護実践能力の枠組みを①基本姿勢と態度、②技術的側面、③管理的側面の3領域に整理し、OSCE評価視点として準用できる内容を明らかにした。その結果、①医療安全管理②感染予防・感染管理③コミュニケーション④説明と同意⑤患者観察⑥臨床判断⑦安楽への配慮⑧プライバシー⑨正確な知識⑩正確な実施⑪応用性⑫基本姿勢・態度⑬作業・時間管理の各領域からOCE課題の評価体系表を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、クリニカルラダー別OSCE出題可能項目・評価対象項目体系表(臨床看護Advanced-OSCE-MAP)の作成を目標とした。ほぼ予定通りに進行しているが、小児看護、精神看護、手術室看護等看護技術に特徴がみられる分野の教育内容と評価対象項目をまだ明らかにできていない。また、平成26年度に実施したOSCEの信頼性検討を現在進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今期も当初の計画通りにすすめる。①小児看護、精神看護、手術室看護における教育内容と評価対象項目:当該分野の教育担当者への聞き取り(5月~7月)②平成26年度実施分のOSCEの信頼性検討:評価者間信頼性(k係数、一致率)、ステーション間信頼性(級内相関係数:ICC)の評価を行う( 5月~7月)、③臨床看護Advanced-OSCEプログラムの設計を行う:OSCE-MAPを元にした評価項目の選定と評価領域・評価軸の設定を行う。それらを包含したOSCEシナリオと評価表を作成する。5種のOSCE課題(内科系看護、外科系看護、手術室看護、小児看護、精神看護)を作成する(6月~9月)。④臨床看護Advanced-OSCEプログラムのトライアルを行い修正する(8月~9月)⑤臨床看護Advanced-OSCE の実施;OSCEスケジュール作成、運営グループの組織化。模擬病棟でのOSCEの実施(10月~12月)⑥臨床看護Advanced-OSCE の機能評価・運営評価を行う:実施結果から、信頼性・妥当性の評価を行いOSCEの評価機能の有効性を明らかにする。質問紙による運営の評価も行う。(平成28年1月~3月)
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、既存データの整理と現状の調査を中止に行ったため、人件費並びに物品費が当初の予定よりも少額となった。平成27年度は、プログラムを実際に展開するため、ビデオカメラ等の物品費とデータ整理に関連した人件費が当初よりも必要となる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
OSCEステーション用のビデオカメラとマイクアンプの購入、資料整理・調査補助の人件費並びに学会参加費等に使用するよていである。
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