研究課題/領域番号 |
26463294
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
於久 比呂美 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (10512022)
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研究分担者 |
永嶋 由理子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10259674)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自分磨き / 自己成長 / 自己教育力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、臨床看護師(以下看護師)の自己成長を促す「自分磨き」(自分を育てる力:自己教育力)に着目し、自分磨きを促進させている看護師がどのようにして自分を磨き育てているのかについて、開発予定である「自分磨き尺度」を用いて調査し、明らかになった看護師の自分磨き行動の特徴を踏まえて、「自分磨きの極意」に関する効果的な「伝授法」について検討することである。 平成26年度は、「自分磨き尺度」開発のために、看護師の自分磨きに関わる諸要因を明らかにすることに取り組んできた。自己成長に関する文献や先行研究を検討した結果、看護師の自分磨きは、“看護が好き”“人間が好き”などの看護に対する思いや情熱といった肯定的感情が自己成長を支える基盤となっていることが明らかとなった。さらに、看護師が自己成長するために重要な要因として、“自己の振り返り”“学習意欲”“知的好奇心”“達成感”“挑戦”などが関与していることが明らかとなった。 以上のことより、肯定的感情から起こる自発的な欲求による学習は、結果として持続した学びが得られることが推察され、看護師の自分磨きは、内的刺激を拠り所として高めることによって看護師の自己成長につながることが示唆された。 今回の結果は、自分磨きを極めている看護師へのインタビュー内容に、認知心理学的な検討を加えて質問紙に再構成し、平成27年度に「自分磨き尺度」開発に向けての調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、看護師の自分磨きに関わる諸要因の検討は、文献や先行研究の検討に加えて、自分磨きを極めている看護師へのインタビュー内容を検討する予定であったが、インタビュー対象者との日程調整が難しく、現段階では、文献と先行研究のみで検討している状況であるため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、「自分磨き尺度」開発に向けての予備調査と本調査を実施する。第1段階として、平成26年度の研究成果で得られた自分磨き行動を表す概念に基づいて質問項目を作成する。各質問項目は、測定が比較的簡便でかつ自己の変化を明瞭に把握できる5段階リカート法により尺度化する。第2段階の予備調査では、臨床看護師300名を対象に質問紙調査を実施し、その内容的妥当性を検討する。第3段階の本調査では、臨床看護師1000名を対象に質問紙調査を実施し、下位尺度の構成に向けて因子分析を行った後、尺度の信頼性検討としてクロンバックα信頼性係数の算出、尺度の構成概念妥当性検討として「自己教育力尺度」との相関を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、文献複写代と書籍購入の費用に当てていたが、入手までに時間がかかるとの理由にて、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の研究費を以下の目的で使用する。 ①文献複写費・書籍購入費 ②研究協力者(インタビュー対象者)への謝金 ③逐語録作成の入力費 ④調査紙の印刷製本費、発送・回収にかかる封筒購入費と通信費 ⑤調査データの入力費 ⑥研究データを管理するための記憶媒体の購入費 ⑦調査の旅費 ⑧学会参加の出張費
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