研究課題/領域番号 |
26463299
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
前川 宣子 (河原宣子) 京都橘大学, 看護学部, 教授 (00259384)
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研究分担者 |
磯見 智恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40334841)
川口 淳 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50224746)
松本 賢哉 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (60454534)
穴吹 浩子 京都橘大学, 総合研究センター, 研究員 (40582870)
マルティネス 真喜子 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (10599319)
平井 亮 京都橘大学, 看護学部, 助手 (70708502) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 防災・減災対策 / 訪問看護活動 / 予備力の強化 |
研究実績の概要 |
高齢・少子化が進行するわが国においては,要配慮者とその家族の防災・減災対策が重要な課題である.今回,訪問看護師1名に,訪問看護実践において防災・減災対策を実施した印象深い事例に関して自由に語ってもらうエピソード想起型のインタビューを行い,防災・減災における予備力の強化に向けた訪問看護師の関わりについて検討した.倫理的配慮として共同研究者が所属する倫理委員会の承認を得た. その結果,訪問看護師は「印象に残っているのはA氏ですね」と語った.A氏は頸髄損傷により四肢麻痺となり,人工呼吸器を装着しながら約30年間在宅療養を継続している.主たる介護者は母親であり訪問看護師は約20年間この家族に関わっている.訪問看護師が語る印象深かった災害対策として,「私たちはとっかかりで,実際に考えて動くのはA氏」というエピソードがあった.約1時間の語りの中で,「人工呼吸器に関する避難訓練をやったけど,最初は訪問看護が主体的に動かないと進まなかった.でも,平成XX年の大雨,あれが決定的になった.A氏自身が行動できなくても,ああしてこうしてって指示出せばいいって.災害が来たときのシミュレーションができたかなって思う.私たちはとっかかりで実際に考えて動くのはA氏.災害対策を1ヶ月に1回やっているとかそういうのではないけど,台風シーズンになったらバッテリー大丈夫?とか大雨になったら誰か来てくれる?とかそういうのも災害対策かなと思うので,それを日常化していける感じ.こちらも気負わずにやれる,あちらも日常の中で災害対策ができる,そうなればいいって思ってる.」という内容が認められた.要配慮者とその家族の防災・減災における予備力の強化には,要配慮者とその家族及び看護職にとって,身体的・心理的に大きな負担にならずに,自然に日常生活や訪問看護活動に組み込めるようなものが必要であると示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度,データ収集・分析を実施する時期に,研究代表者の配偶者が急逝し,研究活動を進めることができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
データ収集の追加と分析を実施し,研究目的であるアーカイブ化の基盤を作成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
前述したが,前年度に研究代表者の配偶者が急逝し,研究活動が進まなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集の追加と国際学会発表に使用する予定.
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