研究課題/領域番号 |
26463301
|
研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
稲田 久美子 四国大学, 看護学部, 教授 (00446064)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 看護組織 / 組織文化 / ニュージーランド / 日本 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
日本とニュージーランドの看護組織の文化的特性の比較調査‐ニュージーランドで働く日本人看護師から見た、日本とニュージーランドの看護職集団の違いや看護ケアの違いについて、文化の違いから明らかにすることを目的に研究を行った。 平成26年10月下旬~12月下旬と平成27年2月初~末まで、約3ヶ月間、オークランド工科大学健康科学学科に滞在し、研究協力者と一緒に調査・研究を行った。9月にオークランド工科大学の「研究倫理審査委員会」に書類を提出し、10月に承認を受けた後、当該大学に行き調査を行った。 ①調査時期は平成26年10月下旬~12月下旬で、オークランド市内の日本人看護師のSupport Groupを通して、研究参加者を募集し、RN(Registered Nurse)として病院で働いている日本人看護師9名から参加の同意を得た。調査は、半構成的面接調査法で、研究協力者と一緒に個別に行った。面接場所はオークランド工科大学内の個室或いは病院内の個室を利用し、面接時間は1人90分程度、言語は英語と一部日本語であった。面接内容は許可を得てボイスレコーダーに録音し逐語録にし、日本語部分は英語に翻訳した。逐語録をもとに、研究協力者とディスカッションをしながら、質的・帰納的に分析を行った。 ②2月初~末まで、再度オークランド工科大学に行き、12月の帰国直前の面接調査で得られた3人のデータを加えて、さらに分析を進め、日本人看護師からみた両国の看護職の文化的特徴の抽出を行った。大学内で文献検索を加え、研究協力者と一緒に考察をして論文作成に着手した。帰国後は、さらに文献検索をし、Skypeを介してディスカッションをしながら論文を加筆修正している。近く、2つの論文にまとまり次第、ジャーナル誌に投稿予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主の研究協力者であるAnita Bamford-Wade博士が、科研申請後の2月にオーストラリアに転職したため、5月に研究対象国の変更するかどうかについて検討せざるを得ない状況になった。6月に渡豪し、調査の可能性を2人で検討したが、ビザの関係でオーストラリアでの調査が難しいことが判明した。そこで、もう一人のニュージーランド工科大学の研究協力者 David Healee博士に協力を求め、ニュージーランドで無事に調査を行うことができた。9名の面接参加者を得られ、 参加者から貴重で充分なデータを得ることができた。しかも、全ての面接が、David Healee博士も加わっての(英語での)面接となったため、互いにデータの共有化ができたことで、日本とニュージーランドの看護職の文化的比較の分析がしやすくなり、論文作成も2人で順調に進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度の予定は、ニュージーランドでの調査結果を日本の病院看護管理者提示し、日本の看護職の文化との違いについてのデータを得る。調査はフォーカス・グループ・インタビューを用い、ボイスレコーダーに録音後、逐語録にする。逐語録は英語に翻訳をし、オークランド工科大学の研究協力者と一緒に、質的・帰納的に分析をして、両国の看護職の文化特性の違いを、特にリーダーシップの視点より明確にする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に、平成27年度予算から100万円の前倒し支払請求をしたが使いきらなかったため、残金は、平成27年度の研究予算としたい。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成26年度の調査研究の成果を海外で学会発表する。 平成26年度の調査研究の結果を日本の看護管理者にフィードバックし、グループ・フォーカス・インタビューを行う。その際の旅費、テープお越し代金、日本語から英語への翻訳代金とする。
|