平成26年10月下旬~12月下旬にニュージーランドのオークランド市内で働く日本人看護師9名を対象に半構成的面接を行い、日本とニュージーランドの看護職集団のワークカルチャーの違いを調査した。その結果、両者の文化の違いには「Authority(権威)」「Cooperation(協働)」「Duty(義務)」「Nursing(看護)」の4つの文脈があることがわかった。そしてその根底には、「全体を見る日本人と個人を見る西洋人」、「情緒的で曖昧さを好む日本人と合理的で明瞭さを好む西洋人」、「年上を敬うべきとする日本人と意見は平等とすべきとする西洋人」という国の文化の違いがあるように思われた。 そこで、平成28年10月~12月に、英語圏の国で看護師の経験のある日本在住の日本人看護師2名と日本の看護職の文化特性に関心のある日本在住の日本人看護師2名に、調査の結果を提示して意見を聞き、許可を得てボイスレコーダーに録音した。録音したデータは逐語録にし、何度も読んでニュージーランドでの調査の結果の妥当性を検証した。 その結果、「Authority(権威)」「Cooperation(協働)」「Duty(義務)」「Nursing(看護)」の4つの文脈の裏付けがなされ、ある程度の妥当性が検証できた。今後はこの4つの文脈をより洗練化していきたいと考える。
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