研究課題/領域番号 |
26463303
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山田 章子 山梨大学, 総合研究部, 助教 (90437103)
|
研究分担者 |
江尻 晴美 中部大学, 看護実習センター, 講師 (60515104)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 集中治療室入室患者 / 痛み / 不穏 / せん妄 / アセスメントモデル / スペシャリスト |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、集中治療室入室患者の痛み・不穏・せん妄の予防および早期発見するためのアセスメントモデルを構築することである。クリティカルケアを必要とする患者は、生命を維持するための治療や看護ケアを優先的に行われるため、身体的・精神的痛みを生じやすく、不穏やせん妄を発症しやすい。痛みは、不穏およびせん妄発症と関連していることが明らかとなっている。 集中治療室入室患者の痛み・不穏・せん妄の予防および早期発見するためのアセスメントモデルの構築は、クリティカルケア看護師のスペシャリストが行う痛みのマネージメントや、不穏・せん妄を予防したり早期発見するための具体的な観察内容や方法を明らかにすることであり、作成したモデルを用いることで、経験の浅い看護師たちも適切な看護ケアを行うことができると考える。 本研究では、1.集中治療室で実際に働いている看護師たちに、痛み、不穏、せん妄の観察、方法、ケアについてアンケート調査を行う。2.アンケート調査の中で、急性・重症患者専門看護師および重症ケア認定看護師とそうではない看護師の観察、方法、ケアの相違について見出し、スペシャリストの観察、方法、ケアを明らかにする。3.痛み、不穏・せん妄それぞれアセスメントに必要な要素を、アンケート調査および先行研究から抽出し、モデル構築を行う。 平成26年度は、不穏・せん妄の前駆症状や看護師の観察内容を文献検討して抽出し、痛みのアセスメントツールから、アンケート内容を抽出した。平成27年度は、アンケートを作成し、日本集中治療医学会で認定している施設にアンケート依頼を行い、承諾の得られた約100施設にアンケートを送付し、約1,110名から回答を得た。平成28年度は、痛みおよびせん妄に対する具体的なケア方法についての分析を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度にアンケート用紙を配布する予定であったが、アセスメントモデルの構想を練った上で、アンケートの内容を考えたため、平成27年度にアンケートの配布を行った。予想以上の回答があり、自由記載の回答が多いため、分析に時間を要している。さらに急性・重症患者専門看護師および重症ケア認定看護師が、全体の約6%程度しかいなかったことから、分析方法を検討する必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、急性・重症患者専門看護師および重症ケア認定看護師とそうではない看護師との痛み、不穏・せん妄の観察、方法、ケアの相違を導き出し、アセスメントモデルを構築していく。アセスメントモデルを構築していく際には、急性・重症患者専門看護師および重症ケア認定看護師、クリティカルケア看護を専攻している大学院生など内容の検討を適宜行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アンケートの回収が予想以上に多くできたことから、分析に時間がかかり、内容の検討を行うための会議の時間を、研究分担者以外と持つことができなかった。このため、会議費用や旅費の支出が少なかったため、未使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、アセスメントモデルの構築を行う上で、重症ケア認定看護師、急性・重症患者専門看護師およびクリティカルケア看護を専攻している大学院生などと内容の検討を行うための会議を持つため、会議費用や旅費などに使用する。さらに成果の発表を、第7回日本看護科学学会外術集会で発表を行うため、旅費や校閲料などに使用する。
|