研究実績の概要 |
本研究の目的は、集中治療室入室患者の痛み・不穏・せん妄の予防および早期発見するためのアセスメントモデルを構築することである。クリティカルケアを必要とする患者は、生命を維持するための治療や看護ケアを優先的に行われるため、身体的・精神的痛みを生じやすく、不穏やせん妄を発症しやすい。痛みは、不穏およびせん妄の発症と関連していることが明らかとなっている。 本研究は、1.集中治療室で実際に働いている看護師たちに、痛み、不穏、せん妄の観察、方法、ケアについてアンケート調査を行う。2.アンケート調査の中で、急性・重症患者専門看護師および重症ケア認定看護師とそうではない看護師の観察、方法、ケアの相違について見出し、スペシャリストの観察、方法、ケアを明らかにする。3.痛み、不穏、せん妄それぞれアセスメントに必要な要素を、アンケート調査および先行研究から抽出し、モデルの構築を行う。 平成26年度は、不穏・せん妄の前駆症状や看護師の観察内容を文献検討して抽出し、痛みのアセスメントツールから、アンケート項目を抽出した。平成27年度は、アンケートを作成し、日本集中治療医学会で認定している施設にアンケート依頼を行い、承諾の得られた約100施設にアンケートを送付し、約1,100名から回答を得た。平成28年度は、痛みおよびせん妄に対する具体的なケア方法についての分析を行った。平成29年度は、スペシャリストとそうではない看護師とで具体的な方法・ケアについての相違の有無を分析し、アセスメントモデルを検討した。
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