研究課題/領域番号 |
26463309
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
高橋 さつき 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (50412987)
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研究分担者 |
廣村 桂樹 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70292597)
岡 美智代 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (10312729)
上星 浩子 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (20389745)
佐藤 正樹 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 助教 (30570163)
清水 美和子 群馬医療福祉大学, 看護学部, 助教 (80593714)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / セルフマネジメント / コンピュータ支援学習 / 患者教育 / インストラクショナルデザイン / eラーニング / 形成的評価 / 行動変容 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、1.JSPS科研費23593241にて開発した慢性腎臓病(以下、CKD)患者用eラーニング「腎臓ケアeラーニング講座」の普及・評価・修正と、2.CKD患者のセルフマネジメントを支援するアプリケーションソフトウェア(以下、アプリ)の開発・普及を行うことである。平成26年度はこの目的1、2に対し、次のように取り組んだ。 目的1に対しては、普及のために先ず「腎臓ケアeラーニング講座」をWebページ(http://plaza.umin.ac.jp/~jin/)で公開し、作成したポスター、リーフレットを各施設に郵送・配布した。また、CKD患者会の活動、一般市民を対象としたCKDの講演会、保健・医療従事者を対象とした講習会等において、本eラーニングの説明・デモンストレーションなどを行った。加えて、学会において本eラーニングの開発過程について発表し、CKD看護職への普及に努めた。結果、本Webページには、現在およそ10~20アドレス/日のアクセスがある。 また、画面の見やすさや入力・操作性を研究者間で確認し、関連ガイドライン改訂に伴う修正と併せてeラーニングを修正し、1月にVer.2をアップした。その後、外来通院中のCKD患者を対象に、本eラーニングの形成的評価(1対1評価)を実施した。 目的2に対しては、開発に先立ちCKD(ステージG1~G4)のセルフマネジメントに関する国内外の先行研究を確認・考察した。その結果、CKDの療養は集学的であり、本eラーニングの単元もそのように構成されているため、食事療法、適量飲酒、血圧測定などの内容別に、セルフマネジメントの実際・困難事や問題点を更に明らかにしていくことした。また、アプリやセルフラーニングなどに関する国内外の先行研究も確認・考察した。これらの成果をふまえ、これからどのようなアプリを開発するのか、具体化していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究開始の前提となるWebページの開設、本eラーニングの形成的評価に向けた研究計画書立案などに手間取り、全体の研究開始が遅れてしまった。そこで本研究の目的1では、本eラーニングの評価、修正、普及の順で行う予定を変更し、普及、修正、評価の順で行った。そのため、今年度の修正は評価結果をふまえることができず、次年度の修正に反映させることとした。 また、本eラーニングの普及に向けた取り組みは全員で分担して行い、一般市民から医療従事者まで、幅広い対象者に展開することができた。本Webページへのアクセス数も、これら普及活動の効果が薄れたと考えられる時期でも途絶えることはなく、一定のアクセス数を維持している。このことから、我々の普及活動とは別に、主体的に本eラーニングを活用している人々の存在が示唆され、当初の計画以上に行えたと評価している。 目的1の遅れに伴い、目的2の研究開始も遅れたが、今年度に予定していた文献検討は終了し、次年度の研究計画実施につながる示唆を得ることができている。 このように、研究の進捗状況には部分的に「やや遅れている」~「当初の計画以上に進展している」とばらつきがあるが、これら全体を総括した本年度の達成度は「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的1に於いて、本eラーニングの普及に向けた取り組みは、前年度同様に全員で分担し、継続実施していく予定である。学会発表や論文投稿も、随時行っていく。また、前年度に行った評価(1対1評価)結果に基づく本eラーニングの修正は、各単元を構築した研究者が修正案を作成し、監修後はVer.3としてWebアップする予定である。それ以降に、形成的評価の第二段階である小集団評価を開始する予定である。 今までの経験から、eラーニングの修正案をWeb化するまでの過程に日数を要するため、できるだけ早く修正案を取りまとめるように取り組む。尚、小集団評価に対する倫理審査は、既に済んでいる。 目的2では、前年度に得た示唆をふまえ、eラーニングの各単元を構築した研究者がセルフマネジメントの内容別に、セルフマネジメントの実際・困難事や問題点などを明らかにしていく予定である。尚、この過程で得た示唆は、eラーニングの修正にも活用する。また、日々進化するアプリ等の動向を視野に入れ、Web化の専門家からのアドバイス等もふまえ、どのようなアプリを開発するのか、更に具体化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
生じた次年度使用額の約8割は、各研究分担者の研究分担金における残金で、残りの2割は研究代表者所属機関における残金である。今年度は本研究の初年度であり、次年度以降に備えるために、各自残金を温存した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額と平成27年度間接経費の合計額は、344,185円である。この中から、「慢性腎臓病患者用eラーニングの形成的評価-1対1評価-」(仮題)の学会発表にかかる各自の国内旅費等(学会開催地によっては、一部負担に留まる)、Web化の専門家からの知識提供にかかる人件費、各セルフマネジメントの実際・困難事や問題点などを明らかにするために必要な文献・書籍購入費用などに使用する。
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