研究課題/領域番号 |
26463310
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研究機関 | 了徳寺大学 |
研究代表者 |
眞鍋 知子 了徳寺大学, 健康科学部, 教授 (40573598)
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研究分担者 |
櫻井 裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (00235227)
原 美弥子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (00276172)
西田 育弘 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (90172668)
高橋 順子 札幌保健医療大学, 看護学部, 講師 (90451400)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血糖値 / 生活習慣 / ストレス / 自律神経活動 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究協力を得られた20歳代~50歳代の健常者のボランティア16名のうちをCGMSのセンサーが自然抜去した1名、24時間血糖値が正確に取れなかった2名を除く女性13名を研究対象者対象とし持続グルコースモニタリングシステム((Continuous Glucose Monitoring System:以下CGMS)を用い血糖値と食事の関係を検討した。飲食はデジタルカメラで食前後に撮影し、食事摂取状況や食事開始から終了までの時間が正確に調査できるようにした。女性13名の平均年齢は43.5±9.6歳(平均±標準偏差)、Body mass indexの平均値は、21.8±2.8kg/m2(平均±標準偏差)であった。年齢区分別の食後間質液中グルコース濃度がピークになった時間は、朝食後は30歳代と40歳代はほぼ同じであり、次に20歳代、50歳代の順にピークになるまでの時間が長かった。昼食後と夕食後は、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代の順にピークになるまでの時間が長かった。年齢区分別の食後における間質液グルコース濃度がピークになった値は、朝食後において50歳代と40歳代はほぼ同じ値であり、30歳代、20歳代に比べて高い値であった。昼食後は、50歳代が最も高い値であり、次に40歳代、30歳代、20歳代の順に高い値であった。夕食後は、30歳代が最も高い値であり、40歳代、50歳代、20歳代の順に高い値であった。40歳代においては、昼食後の方が朝食後よりも有意に食後グルコース濃度ピークになるまでの時間が長かった。また、夕食後は朝食後よりも有意に食後グルコース濃度がピークになるまでの時間が長かった。50歳代は、どの食事後と比較しても有意な差は見られなかった。また、朝食後においては、50歳代の方が40歳代よりも有意に食後グルコース濃度がピークになるまでの時間が長かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
20歳代~50歳代の健常者のボランティア女性13名を研究対象者対象とし持続グルコースモニタリングシステム((Continuous Glucose Monitoring System:以下CGMS)を用い血糖値と飲食(食事内容、摂取時間、摂取にかかる時間、間食)、運動(種類、強度、実施継続時間、頻度)、労働状況(内容、労働持続時間)、睡眠(睡眠時間、入眠状況、熟睡状態)、喫煙(本数、頻度、喫煙年数)飲酒(種類、量、頻度)、ストレスの有無のデータを取ることができた。その中で血糖値と各食事で血糖値がピークになる時間およびピークになる血糖値の値について年齢区分別に検討し、その成果を国内外の学会で発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究の第2段階として血糖値の変動に影響は大きいと思われる食事、運動、ストレスを負荷しCGMSによる持続した血糖値の測定とともに心拍変動測定による実証実験を実施する予定である。食事、運動の負荷による実験は20歳以上の健常なボランティアの男女、ストレス負荷(寒冷刺激、空間閉塞、疼痛刺激)はSDラットにより実施する。食事負荷による実験につういてはAグループ(安静1時間-経口摂取20分-安静2時間-経口摂取10分-安静1時間)、Bグループ(安静1時間-経口摂取10分-安静2時間-経口摂取20分-安静1時間)、Cグループ(安静1時間-経口摂取15分-安静2時間-経口摂取15分-安静1時間)の3群に分ける。運動負荷による実験では、Dグループ(安静1時間-運動5分-安静30分-運動5分-安静30分-運動5分-安静30分-運動5分-安静30分)、Eグループ(安静1時間-運動20分-安静90分)の2群に分ける。A~EグループのCGMS及びホルター心電図は24時間装着後に脱着する。これらの実験により、日常生活における血糖値変動の実態解明 を行い、慢性疾患予防プログラム構築の基盤とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の第2段階である血糖値の変動の解明にむけて実験を行う予定である。そのため食事、運動、ストレスを負荷しCGMSによる持続した血糖値の測定とともに心拍変動測定による実証実験を実施する。食事、運動の負荷による実験は20歳以上の健常なボランティアの男女、ストレス負荷(寒冷刺激、空間閉塞、疼痛刺激)はSDラットにより実施する。ボランティアへは研究の主旨に納得し協力していただいた協力者への謝礼を本研究費から支出する。また、ストレスを負荷のための実験に使用するSDラットや動物実験必要な物品の購入が必要である。さらに本研究のエビデンスを国内外に発信するための学会発表参加費、媒体作成に必要な経費、論文投稿に関連する経費が必要である。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年5月~9月:食事、運動の負荷による実験のための健常なボランティアへの謝礼金、CGMS測定のためのセンサー、消毒綿、データ入力のためのUSBメモリー 2015年8月~12月 ストレス負荷(寒冷刺激、空間閉塞、疼痛刺激)のためのSDラット購入、CGMS測定のためのセンサー、採血のためのカテーテル、データ入力のためのUSBメモリー購入 2015年8月、2016年3月:学会発表参加費 発表媒体作成のための経費、学会参加旅費 2015年6月~:論文投稿のための経費(投稿料、雑誌掲載料、英文校正費)
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