研究課題/領域番号 |
26463312
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
金嶋 祐加 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80513986)
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研究分担者 |
渡部 節子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80290047)
斉藤 聡 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00275041)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | C型肝炎 / インターフェロン / 3剤併用療法 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
C型肝炎の唯一の治療法であるインターフェロンは、新たにプロテアーゼ阻害剤の開発により、2剤併用療法と組み合わせた3剤併用療法が開始され治療効果を上げている。その一方で、治療による発熱や全身倦怠感、高度な貧血、重篤な皮膚病変などの多様な副作用や治療と仕事を両立することの難しさ、経済的な負担などから、治療の開始を躊躇し、治療開始時期が遅れてしまう患者がいることが明らかになっている。治療の開始が遅れることにより、肝硬変や肝がんに移行してしまう可能性が高くなると考えられる。そのため、こうした病気の進行を予防するためには、患者の意思決定支援を行い早期に治療を開始することが非常に重要である。 そこで、3剤併用療法を受けている、あるいは終了したC型肝炎患者21名を対象に、C型肝炎と診断されてから治療を開始するまでの意思決定プロセスの実態について明らかにすることを目的とし、インタビューガイドを用いた半構造化面接による調査を実施した。得られたデータを質的帰納的に分析した結果、<C型肝炎の診断>などの時期に分けられ、その時期ごとに【生活に支障がない】【治療をすべきかわからない】などのカテゴリーが得られた。さらに、C型肝炎と診断されてから治療開始に至るプロセスにおいて、患者の気持ちの揺らぎが常に生じており、C型肝炎と診断されてから継続した意思決定支援の必要性が示唆された。得られた結果は、第35回日本看護科学学会学術集会にて発表した。さらに、この調査結果を基に質問用紙を作成し、3剤併用療法開始に至った意思決定要因について調査を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象者が予定人数には到達しなかったが、期間内に豊富なデータから目的に合った結果が得られた。現在看護系学会への投稿に向けて論文を作成中であるが、予定より少し遅れているため、ペースアップして進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成26~27年度に実施した面接調査の結果を基に質問用紙を作成し、3剤併用療法を受けるC型肝炎患者の意思決定要因について明らかにすることを目的とし調査を行う。7月までには倫理審査に計画書を提出し、承認を得た後に調査を開始し、10月までにはデータ収集を終え分析を行い、結果を3月までにまとめ、看護系学会に論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に質問紙調査を新たに予定していること、また平成26~27年度に行った面接調査の対象人数が予定より少なく、謝金や人件費の支出額が減額されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に新たに質問紙調査を予定しているため、質問用紙の作成・郵送、分析ソフトの購入、看護系学会での結果公表などに使用する。
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