C型肝炎は新薬により治療効果を上げているものの、治療の開始が遅れ肝硬変や肝癌へ移行する患者が多い現状にある。そこで、本研究では、患者がC型肝炎と診断されてから3剤併用療法を開始するまでの意思決定プロセス、及び意思決定に関連する要因を明らかにすることを目的とし調査を行った。その結果、患者は生きたい、治せるものは治したいという思いなどから治療開始の意思決定に至っていた。その一方で、生活に支障がないため治療の必要性を感じない、脱毛や発疹のように副作用が外見に現れることで周囲に病気であることが知られる不安、偏見を持たれる恐怖などの思いが治療開始の遅れにつながっていたことが明らかになった。
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