H30年度は、外国人結核患者の看護を実践している結核病棟勤務の看護師に、外国人結核患者への対応について、インタビューを行った。インタビュー調査内容は、外国人結核患者の看護上困難なこと、指導の方法、コミュニケーション上の工夫等についてであった。データは逐語録にし、質的帰納的に分析を行った。結核病棟看護師が外国人患者を看護をするうえで、困っていることは【コミュニケーション】で言葉が通じないことを最も困難なこととしてあげていた。患者の日本語を話す能力のレベルは様々であるが、ほとんど話せない、カタコト程度の患者も多く入院していた。コミュニケーションを助けるツールとしては、iPadなど電子機器を用いて翻訳アプリで対応していたが、翻訳アプリでは会話に限界がある。結核看護上、重要な「退院に向けた患者教育」が十分にできないことが困難であった。医療通訳を利用できる機会を最大限に利用していた。看護上配慮していることとしては、【患者の孤独な状況】であり、家族がいる患者はまだ恵まれているが、留学生や就労で訪日している患者は孤独になりがちなため、言葉が通じなくても訪室を多くする、ジェスチャーを交えてのコミュニケーションで対応するなど、配慮していた。 本研究で作成した結核患者用教育DVDの短縮版・外国語版は外国人結核入院患者に対し、実施し、評価を得た。DVDのわかりやすさの評価は、「病気」、「治療について」、「服薬の必要性」等は高い評価を得た。入院中の困ることは、言葉の他には、食事、仕事や学校であった。
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