研究課題/領域番号 |
26463315
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南村 二美代 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (00634015)
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研究分担者 |
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70279917)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護学 / 糖尿病 / 自己開示 / 疾病開示 / 意思決定支援 / セルフマネジメント / 患者教育 |
研究実績の概要 |
わが国における糖尿病は増加傾向にある。糖尿病の重症合併症の予防、QOLの低下を防ぐためには、良好な血糖コントロールをめざした適切なセルフマネジメントが重要であり、患者教育の必要性は広く知られている。糖尿病の(自己)開示は患者のセルフマネジメントに影響する要因の一つと考えられる。しかしながら、糖尿病の開示・非開示の意思決定に関する看護師の関わりやその教育の実態は明らかではない。 今年度は、昨年度実施した糖尿病の開示・非開示の意思決定支援に関する看護師24名のインタビュー調査から、糖尿病の(自己)開示に関する看護師の考えと患者に対する意思決定支援の実態とその課題などを明らかにし、先行研究を参考に、糖尿病の開示・非開示に関する意思決定支援ツール、意思決定ガイドの内容を検討する予定であった。しかし、現在、インタビュー調査の分析途中である。インタビュー調査の対象者24名のうち、分析を終えた13名の看護師のインタビュー結果から、看護師は糖尿病患者に患者の身体上の安全(低血糖のリスク対策)と糖尿病のセルフマネジメント行動をしやすくするために周囲の人的サポートを得るとういう観点から、糖尿病の(自己)開示をすることが望ましいと考えていることがわかった。しかし、糖尿病の開示・非開示の選択に関しては、患者自身の考えや思いを尊重したいと考えており、看護師が患者に糖尿病のセルフマネジメントのために、病気の(自己)開示を勧めるという患者教育はしていなかった。多くの看護師は、「低血糖を頻回におこしている患者」、「一人暮らしの患者」、「高齢者」、「1型糖尿病患者」、「職業上リスクが高いと考える患者」等については糖尿病の(自己)開示をすることが特に望ましいと考えていた。しかし、病気の開示・非開示に関する積極的な意思決定支援や患者教育を行っている看護師は少ないという実態が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究協力予定施設の日程的な都合および研究参加者の確保の都合で、データ収集期間を延長せざるを得なかったため、全体的に研究計画が遅れている。今年度は半構成的面接調査結果をまとめ、質的に分析し、その後、先行研究やオタワ意思決定ガイド(O’Connor A.,2005)等を参考に、糖尿病の開示・非開示に関する意思決定支援ツール、意思決定ガイドの内容を検討する予定であったが、分析に時間がかかっており、計画どおりできなかった。そのため、予定より「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、分析できていない11名の対象者のデータを分析し、糖尿病の開示・非開示の意思決定に関する看護師の支援の実態と看護師の課題などについて明らかにする。その後、先行研究、平成27年度の結果、オタワ意思決定ガイド(O’Connor A.,2005)等を参考に、糖尿病の開示・非開示に関する意思決定支援ツール、意思決定ガイドの内容を検討し、WEBにUPする予定である。WEBページ作成のための倫理的配慮についても検討し、必要時、倫理委員会に諮る。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画が遅れていることにより、ホームページ作成(外部依頼)のため等にかかる費用、研究分担者、研究協力者との研究の打ち合わせなどにかかる雑費(交通費、文献費、事務用品など)、学会参加のための旅費等を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
ホームページ作成等(外部依頼)にかかる費用、研究分担者、研究協力者との研究の打ち合わせなどにかかる雑費(交通費、文献費、事務用品など)、学会参加のための旅費等に使用する予定である。
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