研究課題/領域番号 |
26463318
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342)
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研究分担者 |
瓜生 浩子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (00364133)
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
平山 司樹 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80737411)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 看護学 / COPD / 社会参加 |
研究実績の概要 |
平成26年度は在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用の状況を明らかにするという目標と、在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用を促進するために行っている看護師の支援および必要と考える支援の内容を明らかにすることの2つの目標に焦点を当てて研究を進めた。 ステップ1として、在宅酸素療法中のCOPD患者へのインタビューを通して、患者の社会参加や社会的相互作用に関わる認識や行動を明らかにすることに取り組んだ。COPD患者の在宅酸素療法に対する認識や生活の調整などに関して、COPD患者の書籍・文献から、COPD患者の酸素療法に関する認識や生活調整、社会参加のための工夫や取り組みを抽出した。COPD患者の酸素療法に関する認識には①外出時の注視による心理的打撃、②酸素療法に対する抵抗感、③呼吸困難感や死の連想から病状認識、④酸素を自己の一部とする価値観の肯定的変化、⑤呼吸困難による現状認知と酸素の必要性の再認識、など9つの認識が抽出された。生活調整、社会参加の活動については、①呼吸を安定させるための方略をもつ、②心身を安定させるための方略をもつ、③身体の調子と生活時間を調整する、④動ける体を維持するための方略をもつ、⑤療養法を生活の中にうまく取り入れる、など10つが抽出された。 これに基づき、インタビューガイドを作成した。インタビューガイドは、在宅酸素療法中のCOPD患者が行っている仕事・役割、社会的活動、学習的活動、個人的活動に関連している活動に焦点を当て、社会参加や社会的相互作用についての認識と在宅酸素療法導入により変更した生活と社会参加への取り組みについて語ってもらうことができる内容とした。 施設に協力依頼を行ったが、対象患者が少なく、他の施設に協力依頼を広げた。施設の倫理審査を受け、一部修正で承認され、その結果を受けて調査を開始する予定で準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用の状況を明らかにするという目標と、在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用を促進するために行っている看護師の支援および必要と考える支援の内容を明らかにすることの2つの目標に焦点を当てて研究を進めた。 ステップ1では、在宅酸素療法中のCOPD患者へのインタビューを通して、患者の社会参加や社会的相互作用に関わる認識や行動を明らかにするため、面接調査を実施し、ステップ2では、外来看護師へのインタビューを通して、在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用を促進するために行っている支援および必要と考える支援の内容を明らかにするため、看護師へのインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、現在ステップ1のCOPD患者へのインタビュー調査に向けて施設と調整中の段階にあり、インタビュー調査に至っていない。研究協力について依頼施設への交渉や施設での倫理審査委員会の結果が出るまでに時間を要しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
1.平成27年度 在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用の状況を明らかにするという目標と、在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用を促進するために行っている看護師の支援および必要と考える支援の内容を明らかにすることの2つの目標に焦点を当てて研究を進める。 ステップ1のCOPD患者へのインタビュー調査は、研究協力施設を拡大し、数箇所に依頼し研究を進めて行く。そして、ステップ1の結果を踏まえ、外来看護師へのインタビューを通し、在宅酸素療法中のCOPD患者の社会参加や社会的相互作用を促進するために行っている支援および必要と考える支援の内容を明らかにする。 2.平成28年度 在宅酸素療法を必要としているCOPD患者の社会参加を促進する看護支援プログラムを作成する、という目標に向け研究に取り組む。 ステップ3として、ステップ1とステップ2の結果を基に在宅酸素療法を必要としているCOPD患者の社会参加を促進する看護支援プログラム(案)を作成する。ステップ4として、作成した看護支援プログラム(案)を研究協力施設の内科外来に配布し、看護師に内容を見てもらい、その後内科外来ごとにグループインタビューを行い、意見を得る。その意見を基に看護支援プログラム(案)を修正する。ステップ5として看護師支援プログラム(案)を用いて、看護介入の実施を行っていただき、看護支援プログラムの評価を行い、ステップ6ではさらに修正し、最終版のCOPD患者の社会参加を促進する看護支援プログラムを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた、COPD患者へのインタビュー、外来看護師へのインタビューが進んでおらず研究全体の進行がやや遅い状況にあることから、旅費、物品費、人件費などに関しての費用が使用できておらず、予定額を支出できていない。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度はインタビュー調査によるデータ収集を行うため、旅費として交通費や情報収集としての学会参加への旅費を使用する。物品費は、研究を遂行する上での消耗品の購入と図書の購入に使用する。謝金は、研究協力者への謝金、インタビューのテープお越しにかかる賃金、資料整理などの作業補助にかかる賃金などに使用する。その他の経費については、主に印刷費や通信費、情報収集としての学会参加費などとして使用する。
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