研究課題/領域番号 |
26463319
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
山中 福子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (60453221)
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研究分担者 |
下元 理恵 高知県立大学, 看護学部, 助教 (60553500)
山田 覚 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70322378)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / 自己管理支援 / 看護連携 |
研究実績の概要 |
脳・心血管疾患(CCVD)の危険因子でもある慢性腎臓病(CKD :chronic kidney disease )は、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症などの原因疾患だけでなく、高血圧、肥満、メタボリック症候群などの日常生活習慣が関与している。しかし、CKDは、症状が少ないため、自分の身体に意識が向けにくく、さらに生活習慣の改善をすることが生活上の不自由さにつながるため、療養行動を継続していることが難しい。そこで本研究では、疾患を悪化させないように患者自らが取り組んでいる生活上の体験を看護支援の中心にとらえ、一般医療施設と腎疾患専門施設の外来看護師の連携による看護支援体制を明らかにすることである。そこで、26年度は、CKD患者の自己管理、生活上の困難、医療施設での体験、それらに対する患者のマネジメントについて、患者自身が認識している療養上の体験を明らかにした。 1. CKD患者が取り組んでいる自己管理とその困難、生活上の課題、その取り組みに関する先行研究、闘病記を用い、文献検討を実施した。その結果、CKD患者の体験には、(1)自身の身体状態の不調、(2)療養行動・取り組み、(3)療養行動が身体・生活にもたらす効果・影響、(4)日常の生活の仕方が身体にもたらす効果・影響、(5)医療者、周囲の人との関係による影響が明らかになった。 2.文献検討から、CKD患者は、治療状況から現在の腎機能の程度をとらえ、将来の状態まで予測しがたいことがうかがえた。これらをもとに、CKD患者の療養上の体験の実際と受けている援助内容を明らかにする視点が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度中に患者にインタビューを実施する予定であった。しかし、文献検討の段階において、患者自身の体験をCKDの病期ステージで明らかにしているものが少なく、インタビュー調査内容の明確化が遅れたことによって、インタビューの実施に至らなかった。そのため、平成26年度の達成度としては「やや遅れている。」となった。
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今後の研究の推進方策 |
1.CKD患者へのインタビュー調査の実施:平成27年度は、腎専門施設であり、地域の医療施設と連携を行っている施設に協力を求め、対象者のリクルートを行い、対象者数を確保し、CKD患者の疾病の自己管理、および生活上の体験から見える患者自身の課題・問題と、腎専門医とかかりつけ医で受けたと認識している援助内容の特徴を明らかにする。 2.CKD患者に関わっている看護師へのインタビューの実施:1の協力施設においてCKD患者に関わる看護師がとらえる患者の課題・問題の認識と看護援助内容に関する認識についてインタビューを行い、看護師の認識と看護援助の内容を抽出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、平成26年度実施予定のCKD患者へのインタビュー調査の実施するためである。 合わせて、平成27年度実施予定のCKD患者に関わっている看護師へのインタビューの実施を行い、CKD患者に関わる看護師がとらえる患者の課題・問題の認識と看護援助内容に関する認識を明らかにする。
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次年度使用額の使用計画 |
1.インタビュー調査実施にかかる経費:(1)研究協力依頼および研究協力説明のための出張旅費等 (2)インタビュー協力者への謝金、インタビュー内容のテープ起こしにかかる人件費等 2.学会参加にかかる経費:参加費、旅費、ポスター作製費用等 3.その他:雑費
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