研究課題/領域番号 |
26463324
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
福田 美和子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (80318873)
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研究分担者 |
本田 多美枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40352348)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | クリティカルケア看護 / 看護実践力 / リフレクション / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究で開発したい「クリティカルケア看護実践力サポートプログラム」の具体について検討した。 第1にクリティカルケア領域の看護師の課題について、簡単なヒアリングを行い、新人からベテランへと移行していく過程のうち、2年目の看護師がもっともサポートを必要としていることが判明し、プログラム対象者をクリティカルケア領域に勤務して2年目の看護師を中心とすることに決定した。 第2として、表題にある「リフレクションを活用する」という要素の検討を文献ならびに専門家のヒアリングを行い、1か月ごとに計3回、リフレクションについて語る場があることが、自らの傾向に気がついたり苦手なことに挑戦していこうという勇気がもてるようになることから、プログラムは、1か月に1回のサイクルで3クールセッションの場を設けることに設定した。また同時に、リフレクションを促進させるための、ファシリテータの役割についても検討し、実際にプログラムに使うレベルに落とし込んだ。 第3として、リフレクションを促進していくためには、2年目の看護師が抱える臨床状況における困難状況への取り組みの実際についても、データ収集することが、語りをより深くデータ分析することにつながると考えた。このため、シミュレーション実践の場をセッションに含めることとし、プログラム化をはかった。 第4として、開発するプログラムの評価の視点について、文献検討とヒアリングによって検討した。結果として、プログラム評価には、リフレクションの語りの深化の様子や自己効力感、成長しているという実感が適切と判断し、その評価尺度を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラムについてはおおよそ設定できている。その実証に向け、データ収集と分析が必要である。本研究で対象としている2年目の看護師にプログラムを実施する際、臨床状況から鑑み、新就職者が入職し組織になれるまでは、新人指導などに携わることもあり、プログラムを実施するのは、7月以降となる。それが実施できるように、現在フィールド交渉をし始めており、おおむね今年度からプログラムの実施を試みることができる点で、おおむね計画通りと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
検討してきたプログラムを今年度から実施する。本研究はクリティカルケア領域に勤務する2年目の看護師を対象としていることから、今年度も含め3か年にわたり毎年経験年数が2年目になる看護師にプログラムを実施し、プログラム評価をするためのサンプル数を増やしていく予定である。 また、プログラム評価に用いる調査指標については、プログラム実施時の対象者の反応から、検討していく予定でもある。
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次年度使用額が生じた理由 |
サポートプログラムを検討する上で、ヒアリングを実施したりシミュレーション実践についてプレテストを行う予定であったが、費用がかからずにできたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
サポートプログラムを実施する上で、実際にクリティカルケア領域に勤務する看護師がどのような教育ニーズを有しているか、また看護師に教育をしているものがどのような方法でどのような実践力を養いたいと考えているのかについて、先行研究が十分になく、実態調査が必要と考え、全国的な調査を加えることにしたため、それに充てることとしている。 また、サポートプログラムにシミュレーション実践を含めているが、その際のデータ収集にビデオ撮影を用いることを考えており、必要物品の購入に充てることとしている。またシミュレーション実践には、実際に臨床現場で使っている医療用衛生材料などの消耗品が必要となるため、その購入に充てることとしている。
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