2015 年度実施状況報告書

2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラムの完成

研究課題

研究課題/領域番号	26463327
研究機関	敦賀市立看護大学
研究代表者	山崎松美敦賀市立看護大学, 看護学部, 准教授 (70454238)
研究分担者	紺家千津子金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282) 稲垣美智子金沢大学, 保健学系, 教授 (40115209)
研究期間 (年度)	2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード	糖尿病 / 運動療法 / 患者教育 / 看護 / 介入研究
研究実績の概要	本研究は、2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラムの開発をし、多施設介入研究によりその有効性を検証することを全体構想としており、本研究における目的は、運動療法看護教育プログラムを臨床活用し、評価および修正を加えながら、有効性が評価された教育プログラムとして完成させることである。今年度も、引き続き運動療法看護教育プログラムの精緻化と具体的実施方法の検討、文献等による評価指標の検討、施設との打ち合わせを実施した。結果、糖尿病教育は、病院に外来通院している患者だけでなく、診療所等に通う地域住民にこそ必要であり、対象者や実施内容について再検討が必要なことが明らかとなった。病院施設の患者教育の一部としての介入、つまり臨床活用ではなく、地域住民に対する介入という視点も視野に入れて、プログラムの具体的実施方法の検討が必要となった。そのため、運動療法実施における安全性、介入実施場所、募集方法、研究協力者（1日糖尿病教室を成立させるための臨床栄養士、理学療法士、看護師）の再検討が必要となった。同時に、筋力は本研究の評価指標の一つであるが、徐々に問題視されてきている糖尿病患者のサルコペニアも重視し、運動療法の実践内容や栄養指導について、実施計画に盛り込み、多職種と検討を重ねていく計画となった。今後は、病院での患者教育の一部として位置づけられた1日糖尿病教室と、地域の糖尿病患者への健康教育としての1日糖尿病教室の両方の対象で、教育プログラム介入の実施、結果の評価、修正を実施していく予定である。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 4: 遅れている理由予定していた研究実施施設が、施設内の事情により困難となってしまい、新たな研究協力施設を探す必要性が出てきていたが、研究介入が実施可能で協力が得られる施設を探すのに時間がかかってしまったため。同時に、本研究は多職種介入になるため、施設変更と同時に協力をしてくれる他職種の人との調整も新たに必要となり、介入の調整までにいたらなかった。
今後の研究の推進方策	研究の方向性は、「運動療法看護教育プログラム」を実際に実施し、6か月の追跡をしながら、プログラムの修正を行い、プログラムの評価とプログラムの有効性の評価を同時に行う予定ではあるが、病院施設における1日糖尿病教室という形で、その施設の他職種の人々と連携をとっての介入は、新たな施設では難しく、今年度も壁となってしまっていた。しかし、実際に糖尿病教育を必要としている人は病院外来に通院する患者に限らず、診療所等に通う地域の糖尿病患者である。そのことを踏まえ、今後は、病院施設に限るのではなく、診療所等に通う地域の糖尿病患者への教育という形で対象者を広げ、施設にとらわれない本研究独自の他職種連携の形を作ること、あるいは診療所単位で対象者の募集と介入の実施をするなど、様々なパターンで考えていく。そして、それぞれの対象に見合ったプログラムの修正を加えることで、何とか研究介入を実施していこうと考えている。
次年度使用額が生じた理由	研究の遅れに伴い、実際の研究介入に伴う予算は支出されなかった。同時に、研究協力者や組織の変更に伴い、介入時に人件費が発生する可能性が出てきており、介入に伴う予算を多く見積もって、来年度に繰り越した。
次年度使用額の使用計画	物品費：300,000円（内訳：筋力測定器具など100,000円、血糖測定に係る消耗品等100,000円、その他文具等100,000）　旅費400,000円（内訳：研究協力者旅費200,000円、研究分担者旅費80,000円、学会参加120,000円）専門知識の提供や研究協力者への謝金：150,000円　その他136,440円（内訳：施設利用料など）