研究課題/領域番号 |
26463330
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研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
山中 純瑚 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (90300318)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アレルギー / エデュケーター / セルフマネジメント / 患者教育 / 喘息 |
研究実績の概要 |
アレルギー疾患が急増している現在、アレルギー疾患を統合的にとらえ、適切な患者教育を行うことができるTotal Allergistとしてのメディカルスタッフの養成は急務である。本研究は成人アレルギーエデュケーター養成に向けて、患者側、看護者側双方のニーズの現状とその関連因子を明らかにすることで、養成を行う上での課題を明確にし、効果的な養成プログラム構築のための方策を検討することを目的とする。 初年度である平成26年度は、アレルギー疾患における治療・ケアにおける最新の情報を得るため、関連する学会や講演会などの研究発表の場で情報収集および情報交換を行った。また国内外の文献検索のもと、先行研究のサーベイを行った。喘息患者を対象に行った研究者らの先行研究で、喘息医療およびケアに対する要望を自由記述形式で調査した結果を質的内容分析をし、得られた結果をもとに、27年度実施予定の「アレルギー疾患患者の自己管理行動の実態と看護者へのニーズ調査」の質問紙作成のための基礎資料とした。 喘息患者の喘息医療およびケアに対する要望では、「根治または効果の高い薬剤開発」や「高額治療費の改善」といった医薬品を含めた研究開発推進と国の医療対策改善へ結びつく要望が大半を占めており、根治治療法が確立されておらず、長期間の自己管理を強いられるアレルギー疾患患者の、安心・安全な生活の実現を望む声があらためて浮き彫りになった。一方で「自己管理方法への具体的指導」「治療・ケアに対する情報提供」「周囲への理解を促す啓蒙活動」「医療者の患者への理解・関心の低さ」「医療者の知識不足」といった項目も抽出され、ニーズ調査を行う上で貴重な資料となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に基づき、先行研究サーベイ、最新のアレルギーケアに関する情報収集は予定通り実施した。患者調査質問票の作成については、先行研究の分析が遅れたため、アレルギーケア検討会における検討に十分な時間を要することができなかっため、完成には至っていない。しかし、検討を重ねる中で、医学教育カリキュラムの現状を鑑み、臨床における卒後教育のみならず、看護師養成課程における教育内容として、アレルギー疾患の位置づけ、教育の現状を把握することがアレルギーエデュケーター養成への課題を明確にするうえで必要な調査内容であることも明らかになった。27年度以降は予定されている患者調査研究の実施とともに、看護者、看護師養成課程への調査内容についても検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降の本研究課題の推進方策としては、平成26年度からの検討事項である患者調査質問票を作成し、調査施設の倫理審査を経た上で、予備調査を行い、本調査へと継続実施する。また、看護師を対象とした調査票作成に向けて、アレルギー患者教育を行っている専門スタッフを対象にインタビュー調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究に使用予定である備品(パソコン、関連ソフト、プロジェクター)を初年度に購入し研究環境を整える予定であったが、所属研究機関変更に伴い、平成27年度以降の購入とした。また、文献整理等人件費を計上していたが、研究協力者がその役を担ったため、合計706,944円の残金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度使用残額を含め、平成27年度使用予定分は研究環境を整えるための設備備品、また検討会のための会議費、調査研究旅費に充てる。また、データ入力、資料整理等の人件費と研究成果の一部を学会に発表するための旅費に使用する予定である。
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