研究課題/領域番号 |
26463336
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
阿部 恭子 千葉大学, 看護学研究科, 特任准教授 (00400820)
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研究分担者 |
佐藤 まゆみ 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (10251191)
井関 千裕 千葉大学, 看護学研究科, 特任助教 (00736100)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護学 / 癌 / 臨床 / 乳癌 / 看護外来 / 看護相談 |
研究実績の概要 |
本研究は、乳がんに特化した外来看護相談支援プログラムを構築するために、外来看護相談支援モデルの活用マニュアルと外来看護相談支援記録ツール・外来看護相談支援評価ツールの開発を目的とする。 平成27年度の研究実施計画では、活用マニュアル案、記録ツール案、評価ツール案の開発後にパイロットスタディを行う、という予定であり、平成26年度より引き続き活用マニュアル案、記録ツール案、評価ツール案の開発を行った。米国での現状の情報を収集する目的でONS 40th Annual Congressに参加し、さらに資料の収集・検討を行った。米国における乳がん患者へのNurse Navigationの特徴には、患者教育、チーム医療のアドボケイトとコーディネート、臨床研究の情報提供、遺伝カウンセリング、治療(手術・乳房再建・化学療法・放射線療法)の情報提供と治療選択支援、進行・再発乳がん患者への情報提供、サバイバーシップに関する情報提供などがあった。また、記録ツールには、問診票やNavigation記録票があった。評価は、システム評価を重視する一方で、Patient-Reported Outcomesとして、患者満足度とQOLがあった。研究者らの先行研究では、看護相談支援を受けた乳がん患者の変化には、つらい気持ちが和らぎ安心する、必要な治療を受ける気持ちになる、今後の見通しがついて安心する、化学療法による脱毛への準備が分かり安心する、化学療法による悪心が長引く理由が分かり覚悟する、手術後の乳房の変化に伴う子どもへの対応方法が分かる、タイミングよく職場復帰する方法に自分で気づく、体重管理はできそうなことに取り組もうと思うなどがあり、Patient-Reported Outcomesの指標として活用可能であり、以上を踏まえて、支援モデルを精選するとともに、記録・評価の検討・吟味の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度の研究実施計画では、活用マニュアル案、記録ツール案、評価ツール案の開発後にパイロットスタディを行う、という予定であり、平成27年度は、活用マニュアル案、記録ツール案、評価ツール案の開発を平成26年度より引き続き行った。外来看護相談支援記録ツール・外来看護相談支援評価ツールの開発のための海外での現状の情報収集と資料収集・検討を行った。平成26年度に引き続き、関東近県で乳がん患者に特化した外来看護相談支援を行っている、医療機関の看護師にアクションリサーチへの参加協力を得るための準備作業を行った。
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今後の研究の推進方策 |
外来看護相談支援モデルの活用にあたっては、3つの対象医療機関の看護師と、当該施設での相談事例をサンプルとしてモデルに適応し、研究者と看護師とでモデル活用方法の吟味を行い、モデル活用マニュアル案を作成する。また、記録ツール案、評価ツール案も作成する。さらに、多施設での外来看護相談支援プログラムの展開に向けて医療機関の所属長、看護管理者、看護師に研究への参加を依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会議や研究協力依頼に関わる旅費や会場費を計上していたが、メイル等での情報交換・意思疎通を図った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、調査の開始に関わる協力施設に出向いての打ち合わせ、外来看護相談の推進に向けての国内外の学会での情報収集を行っていく。
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