研究課題/領域番号 |
26463337
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
鈴木 美穂 公益財団法人がん研究会, 有明病院 看護部, 副部長 (70645712)
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研究分担者 |
岩瀬 哲 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60372372)
篠原 明仁 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (70579713)
山本 則子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90280924)
山花 令子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (40642012)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 同種造血幹細胞移植 / QOL / 自己効力感 / 学習性無力感 / ニーズの充足 |
研究実績の概要 |
同種造血幹細胞移植(以下、移植)を受ける患者にとって、その治療過程は急性期のみならず長期的にもさまざまな副作用や合併症を生じることがある。看護師はしばしば必要以上の情報提供をして不安を与えていないかなど、患者にあった情報提供に困難を感じることがある。移植患者のQOLの向上に資する看護支援のあり方を検討するために、移植を受ける患者の移植に関して持つ情報へのニーズとその充足および症状、自己効力感、学習性無力感、QOLとの関係を調査した。移植が決定した成人患者を対象とし、前向きに前処置開始前、生着時、移植後100日目の3時点で看護師による聞き取りと自記式質問紙調査を行った。研究に参加した24名の平均年齢は44.4 (SD 13.4)歳、男性15名(62.5%)、移植後100日目まで研究参加したのは14名だった。移植の必要性や前処置中に起こること、生着までに起こることなどの情報についてはほとんどの患者が生着時も移植後100日目も「十分だった」としたが、生着時には外出や社会復帰について、移植後100日目には食事や運動・リハビリの情報が「不十分」とした人が2割以上いた。症状スコアは生着時に悪化し、移植後100日目までには移植前よりやや軽快していた。無力感は移植後100日目には改善していた。自己効力感とQOLは3時点で大きな変化はなかった。移植前のQOLは自己効力感や無力感と関連し、生着時のQOLは症状と関連し、移植前のQOLと関連はなかった。情報ニーズはほとんど充足しており、情報の過不足とQOL等の関連は分析に至らなかったが、今後症例数を増やし更なる考察を続けていく。
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