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2016 年度 実施状況報告書

電話外来の有効性とそのシステム創りに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26463338
研究機関山梨県立大学

研究代表者

上條 優子  山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (40530431)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード電話相談 / がん患者 / 在宅看護 / テレナーシング
研究実績の概要

平成28年度は、在宅ケア関係者を含めた研究会議を継続した。そして、外来通院しているがん患者の状況把握および在宅でセルフケアを行っているがん患者の症状マネジメントのケアとして電話を利用することを検討するために、外来通院しているがん患者の状況をカルテ調査より把握し、訪問看護ステーションへの調査より電話相談の実態を探索した。
まず、がん拠点病院B病院でカルテ調査を行った。年間約550名のがん患者が外来通院および在宅療法を行っていたが電話相談のニーズの高いであろう一人暮らしの患者97名に絞り調査した。内訳は、平均年齢74.2歳(42-96歳)、男性53%、がんの病期Ⅲ・Ⅳが81%、パフォーマンスステイタス3・4と身体機能状態の悪い者が41%、生活保護受給者が21%いた。次に、在宅での症状マネジメントのケアについて調査するためにB病院圏内の訪問看護ステーション45施設に調査票を送付し15施設から回答を得た。調査期間中にがんと診断され症状マネジメントを行っていた利用者は15施設中66名いた。内訳は、平均年齢77.8歳(48-98歳)、男性57.6%、がんの病期Ⅲ・Ⅳが62.1%、緩和ケア・終末期ケア対象者39.3%、一人暮らし15.2%であった。電話相談は1か月でのべ48件あった。電話相談は利用者本人および家族からであった。夜間の電話相談は全体の24.2%であった。電話相談の内容は、発熱・痛み・呼吸苦・食欲不振・便秘・不安・不穏状態・不眠など症状悪化に関すること、薬の使い方、点滴管理、装具(尿管カテーテルを含む)の不具合、病院受診の相談、訪問時間や回数の確認、訪問看護料金、死亡の連絡等であった。以上の結果より、今後在宅ケアにおいてがんと診断された重症度の高い方が増えることが予測され、電話を使ったケアは有効な方法であることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究目的の1は、「電話や端末機器を使用し、在宅でがん患者の症状マネジメントの管理を有効に行う方法を見つけること」であるが、平成28年度の調査結果より在宅において重症ながん患者が増えることが予想されるため、電話を使用したケアは有効であると考えられた。今後は、海外論文を参考にテレナーシングシステム(telenursing)を調査したり、施設管理者の意見をまとめながら研究目的2の「施設における電話外来等のシステム創りの検討」を行っていく予定である。実施が少し遅れているが、少しずつ継続し進められている。
以上のことから、現在までの達成度は、70%ぐらいであると考える。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、Telenursingに関する論文を調査し、病院および在宅の施設管理者を対象に施設における電話外来等のシステム創りについて検討していく予定である。また、平成28年度の調査結果を使って、電話外来(在宅ケアにおける電話によるケア)の費用について検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度の勤務先での人手不足のため研究遂行が困難であったため。また、平成28年度に行った電話外来の調査で研究費より電話代などの負担を考えていたが、24時間対応の訪問看護ステーションが調査依頼に応じてくれたため、電話使用料金やiPadなどの端末を用意する必要がなく研究費を使わなくてもよくなったため。

次年度使用額の使用計画

平成29年度は28年度に行った研究結果をまとめ国際学会で発表する予定である。また、電話外来システムについて施設管理者への調査を予定しているため、その調査にかかる費用および、その調査のためのリサーチアシスタントを雇う予定である。そして、新しい分野である Telenursing の文献検討等も予定している。最終年度にあたるため報告書の作成も予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A県における独居がん患者の療養の場の選択2017

    • 著者名/発表者名
      小池賀津江、上條優子
    • 学会等名
      第7回日本看護評価学会
    • 発表場所
      東京工科大学蒲田キャンパス3号館10階
    • 年月日
      2017-03-13 – 2017-03-14

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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