研究実績の概要 |
2018年3月に実施した「がん患者のアドバンス・ケア・プランニングを実践する看護師のための研修会」に参加した60名の対象者に、受講後3ヵ月目の質問紙調査を実施した。主な調査内容は、研究者らが開発したACPの実践を測定する尺度(37項目6因子,5件法:1:全く実践していない~5:いつも実践している、得点が高いほど実践していることを示す)、Onodera(2013)らが作成した看護師のがん看護に対する困難感を評価する尺度(20項目、5因子を抽出)で6件法(1:全くそう思わない~6:非常にそう思う)で調査した。プログラムの評価は、研修直後に調査を実施した。内容は、研修目的の明確さ、研修内容の理解度、そして研修の満足度、実践への活用の見込み等であった。調査結果の分析は、記述統計の他、1群のWilcoxon signed-rank testを行った。 研修前と研修3ヵ月後に回答を得た対象者のうち、有効回答が得られた39名(有効回答率65%)のデータを分析した。その結果、研修前と研修3ヵ月後のACPの実践では、「ACPに関する患者・家族・医療者との対話」が有意に上昇し(p=0.045)、さらに、ACPの知識・技術が不十分だという認識が研修後に有意に低下した(p=0.001)。プログラムの評価は、全てのModuleに対して肯定的な評価が90%以上であった。調査結果から、本プログラムの有効性が示唆された。本プログラムによって、認定看護師らはACPに関する知識・技術を習得し、患者・家族や多職種とACPに関する対話の機会が増えた認識していた。
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