研究課題/領域番号 |
26463362
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研究機関 | 天理医療大学 |
研究代表者 |
林 みよ子 天理医療大学, 医療学部, 教授 (50362380)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 家族介護者 / 脳卒中 / 在宅支援 / 看護介入プログラム / 協働 |
研究実績の概要 |
初年度は、本研究の最終目的である介入プログラムの効果測定に向けて、研究協力者の研究実施に向けた準備、脳卒中患者の家族に対する介入プログラム暫定版の作成、比較群調査の準備を計画した。 天理よろづ相談所病院の協力を得て、脳血管系患者を収容する5部署から研究協力者となる15名の看護師の推薦を受け、研究チームを構築した。研究代表者が中心となって国内外の論文を提示し、それらを抄読しながら、急性期から回復期までの各部署で現在行っている家族支援の実際と照らし、現実に即した介入方法についてディスカッションした。その結果、以下のケアの重要性が確認された:1.急性期から介護者の情報ニーズに積極的に応じること、2.早期から介護者となる予定の家族成員をケアに巻き込み共に考えること、3.効果的な介入となるタイミングを外さないこと、4.介護者の認知的評価やコーピング、性格傾向に感心を寄せスクリーニングすること、5.介護者の意思決定を促進し支持すること、6.介護者自身の生活の質やメンタルヘルスに関心を向け維持すること。 しかし、病期の異なる複数の部署での一貫したケアを提供する具体的なプログラムを作成するには、転棟(部署移動)時のケアの継続性における課題とケースワーカー等の関連他職種との調整における課題が残り、実践可能なプログラム作成には至らなかった。介入プログラムは本研究の核となるものであり、十分な検討を必要とすると考えることから、平成27年度も介入プログラムの検討は継続することとした。 一方、研究協力者の研究実施に向けた教育については、研究に対する苦手意識が強いために、介入プログラム検討のための論文抄読の際に研究方法についても言及し、時間をかけて準備を整えているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
協力施設との研究組織の構築についての交渉に予定よりも時間を要し、研究の開始が遅れたことが最も大きな理由である。加えて、臨床看護師の研究に関する知識や実践力の不足があり、論文抄読や研究手法についての指導を安易な内容から開始したことも、介入プログラムの検討の遅れにつながった。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、対照群調査の実施と介入プログラムの策定を目的として活動する予定である。対照群調査は、退院前と退院後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月の合計5回にわたり、介護ストレス・介護に対する自信・介護対処力・介護準備状態についての質問紙調査と面接調査を実施する計画である。しかし、初年度の活動実績から、調査を実施するにあたっての研究協力者の研究に関する知識と実践経験の不足が課題となった。今後実施する研究の質を担保するために、研究協力者のデータ収集方法やデータ分析方法に関する教育に当初の計画よりも時間を費やすこととする。これに伴い、対照群調査は、当初の予定よりも遅らせて実施する。 また、介入プログラムの策定については、初年度に明らかにした介入方法を、より介護者役割獲得に焦点化した実践可能なプログラムとするために、さらに文献的知見と臨床的知見に基づいた検討を継続する。これと同時に、初年度に見出された部署間のケアの継続性と関連他職種との調整の課題を解決するための具体的方策も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学術集会への参加ができなかったこと、遠方からの研究協力者がいなかったために交通費が発生しなかったこと、文献の多くがインターネットでダウンロードできたことで、次年度への繰越が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、研究協力者の研究能力の向上のためにも、関係する学術集会に参加すること、脳卒中看護および研究手法に関する書籍を購入すること、本課題に関係する専門家からの知識提供を受けることに、助成金を活用する予定である。
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