研究課題/領域番号 |
26463363
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
浦 綾子 福岡大学, 医学部, 准教授 (00526519)
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研究分担者 |
宮林 郁子 福岡大学, 医学部, 教授 (40294334)
石橋 曜子 福岡大学, 医学部, 助教 (70469386)
向野 珠未 福岡大学, 医学部, 助手 (80755231)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | がん化学療法 / 睡眠 / 身体活動 / QOL / 倦怠感 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、 化学療法を受けるがんサバイバーの睡眠,身体活動,身体症状,健康関連QOLの実態を明らかにすること、睡眠不良者に身体活動プログラムを提供し睡眠を整える介入を行い、睡眠の質を高める身体活動プログラムを検討することである. 平成27年度は、研究分担者、研究協力者(血液腫瘍内科病棟看護師長、腫瘍センター看護師長、理学療法士)らとともに、研究計画と身体活動プログラムについて検討を行い、身体活動プログラムのリーフレットを作成中である。また、看護介入の方法について研究フィールドの看護スタッフと調整を行い、倫理審査の承認申請の準備中である。
また、本研究の基盤となる研究者らの先行研究の成果を、国際学会(Asian Oncology Nursing Society 2015)において1件を報告した。Tittle:Healty-Related QOL and influence Factors in Liver Cancer Survivors Who Completed Treatment Discharge from Hospital.肝がんサバイバーのQOLは,退院の当初に日常生活の活動や役割機能,社会生活が低下していた.1ヶ月後に改善したが体の痛み以外は全て健康な国民より低かった.QOL改善には睡眠時間や寝つき,睡眠の質、身体的倦怠感を改善する介入の必要性が示唆された. さらに、肝がんサバイバーのHRQOLの論文を投稿し査読審査中である。 これらの研究成果を活用して、化学療法を受けるがんサバイバーの睡眠の質を改善する身体活動プログラムの開発を進める予定である。看護介入を行う上で研究分担者を1名増やした。臨床心理士の資格をもつ看護師で、長期の化学療法を受けるがん患者は全人的苦痛を抱えており、支持的な心理的アプローチができる人材を確保した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護介入に用いる「身体活動プログラム」内容について、研究分担者、研究協力者で検討しているが、化学療法による副作用を抱える患者が安全に取り組める活動や、退院後の療養生活において継続をサポートする体制の調整に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は倫理審査承認後にさらに研究フィールドとの連携を図り、看護介入の方法を統一して実施できるように調整を行う。また、睡眠の質は環境や気候にも影響をうけるため、猛暑が続く夏場は避けて気候がしのぎやすくなる9月か10月をめどに調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護介入に用いる「身体活動プログラム」の検討に時間を要したため、調査の開始が遅れている。次年度使用額が発生したのは、データ収集とデータ整理に伴う人件費が発生しなかったことが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
調査開始に伴い研究補助員として看護師の資格をもつ人を雇用する予定である。また、得られた研究成果を国内外の学会で発表を行うため、その旅費等に使用する計画である。
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