研究課題/領域番号 |
26463363
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
浦 綾子 福岡大学, 医学部, 准教授 (00526519)
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研究分担者 |
宮林 郁子 福岡大学, 医学部, 教授 (40294334)
石橋 曜子 福岡大学, 医学部, 助教 (70469386)
上野 珠未 (向野珠未) 福岡大学, 医学部, 助手 (80755231)
牧 香里 福岡大学, 医学部, 講師 (70280261)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 外来化学療法 / 主観的睡眠 / 血液がん / 消化器がん |
研究実績の概要 |
平成28年度は「外来化学療法を受ける患者の睡眠の実態調査」を実施した。福岡大学臨床研究審査委員会の承認を得て、血液がんと消化器がんの患者を対象にピッツバーグ睡眠質問票日本語版(PSQI-J)を用いて、外来化学療法室で自己記述調査を行った. 対象者は43名で男性が62.8%、消化器がんが86.0%を占めた。平均年齢56.1歳(±8.6)であった。PSQI総得点は平均5.0(±2.8)点、睡眠不良は30.2%であった。睡眠の質1.1(±0.6)、入眠時間1.2(±1.1)、睡眠困難1.0(±0.3)、睡眠時間0.6 (±0.7)、睡眠効率0.3 (±0.6)、眠剤の使用0.4 (±1.0)、日中覚醒困難0.4(±0.7)であった。睡眠時間は3~9時間、入眠時間は5~90分、眠剤の服用は6名で83.3%は睡眠不良であった。血液がん、皮膚障害や味覚障害のある患者への睡眠を整える介入の必要性が示唆された。 以上の研究成果は、国際ケアリング学会で発表し現在論文作成中である。 また、最終の研究目的である睡眠の質を改善する身体活動プログラムの開発に関する介入研究では、外来化学療法室と腫瘍・血液内科病棟の看護師長、理学療法士をふくむ研究グループで、定期的に介入プログラムの検討を重ねて作成した。平成28年8月に倫理審査の申請を行い12月末に承認された。現在は、身体活動プログラムのパンフレットは作成済みであるが、DVDを作成中である。身体活動プログラムの介入研究は外来化学療法室と腫瘍・血液内科病棟の看護師長・スタッフとともに連携して進める予定である。DVDに用いる音楽の著作権に関する利用手続きを行っているが、終了後に臨床での介入研究を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入研究は倫理審査申請の手続きを行って約5カ月後に許可がおりた。研究計画書の細かな文言の修正など、倫理的内容と異なる部分(分析方法など)でも修正を迫られた。また、介入プログラムのDVD作成にあたり、使用する音楽の著作権の手続きが複雑で時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
DVDに用いる音楽の著作権は、研究費で運用可能であれば、スムーズに進められる。しかし、費用が高額な場合は、研究メンバーがピアノ演奏を行うことにする。臨床での介入研究は6月に開始して週に1~2事例を行い、9月までに30例実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は平成28年度に終了予定であったが、平成28年度は介入プログラムの作成と研究倫理審査に5カ月を要したために、研究活動が大幅に遅れてしまい研究期間の延長を申請した。また、倫理審査承認後は、介入プログラムに用いるDVD作成、体操の映像撮影のための人材確保と練習、撮影に関する手続きと撮影方法に関する調整、使用音楽の著作権の手続きなど、予定以上に時間を要してしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、DVDに用いる音楽の著作権者へ使用許可の手続き中で、費用は10万円以内を予定している。また、研究活動を円滑行うための人件費50万円、国際学会発表に要する費用60万円、論文投稿に要する費用10万円、報告書作成と雑費を10万円と予定している。
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