研究課題/領域番号 |
26463366
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
山田 みつぎ 千葉県がんセンター(研究所), 看護局, 看護師 (80623389)
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研究分担者 |
石渡 麻衣子 千葉県がんセンター(研究所), 看護局, 看護師 (50728219)
神代 尚子 千葉県がんセンター(研究所), 看護局, 看護師 (20728208)
石橋 早苗 千葉県がんセンター(研究所), 看護局, 看護師 (70626308)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療クラウド / 外来化学療法 / 副作用マネジメント / 患者支援 |
研究実績の概要 |
【背景】がん化学療法の進歩により、外来化学療法患者が増加し、自宅で副作用のマネジメントを行う患者が増加した。自宅で、自ら多彩な副作用と向き合わなくてはならない患者の不安は計り知れない。今回、副作用マネジメントと不安の軽減を目的に、スマートフォンを入力端末とした医療クラウドを開発し、患者に試用した。 【方法】1)入力端末:専用アプリを持つスマートフォン端末を使用。2)専用アプリ:副作用情報をCTCAEに準じたスコアで入力するアプリに、写真添付機能およびコメント入力機能を付加。3)対象;初回化学療法時に、スマートフォンを操作できる患者または家族を作為的に抽出。本研究の主旨を説明し、同意を得た患者または家族に対し、専用アプリを持つスマートフォンの貸出または、患者のスマートフォンにアプリをインストール。4)データ管理:入力データは仮想専用サーバに蓄積し、病院のPC端末から1日に2回確認。5)データ活用:支援対象患者を「Grade2や3の中等度以上の副作用」「治療対象となる症状を撮影した画像の送付」「支援対象となるコメントの送付」とし、これらの基準を満たした患者に対して、看護師がコメントを送信または電話連絡した。6)システムの評価;送受信回数等の活用状況、看護介入による症状の改善状況、システム使用後における患者の感想や意見の内容 【結果】システムの開発以降、25名の患者に試用した。支援を必要とする患者は10名であり、主に口腔ケアやスキンケアについてアドバイスを行った。写真及びコメント機能は症状の詳細を把握するために有用であった。 【結語】医療クラウドの活用により、在宅での副作用マネジメントは容易となりうる。今後も極めて将来性が高いシステムであると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度の計画として、①双方向性通信における患者入力画面の開発、②入力データの確認と解析法の検討、③スマートフォン端末上での患者への情報の提示と自動メールによる通信の発信としており、平成27年度以降に、患者との双方向性通信による情報交換の実践としていたが、平成26年度の時点で、既に患者25名に試用できており、システムの中間解析および評価まで達することができているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題として、スマートフォンの操作が困難な患者への対応、モニター側のマンパワー不足により、タイムリーな患者対応が困難であると考えている。今後は高齢者や神経症状等の副作用によって操作が困難な患者さんでも使用しやすい等、スマートフォンの操作性の向上や、マンパワー不足でも対応できるモニター機能の開発を考えていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の研究を遂行するにあたっては、施設会計にて対応できていたため。 平成27年度に、アプリケーションのブラッシュアップや新たな開発等、多額の経費を要する予定があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
iphoneに対するアプリケーションの開発費として使用予定。
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