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2014 年度 実施状況報告書

母親の養育者としての発達を促す支援―育児不安に対するSAT法による予防的介入―

研究課題

研究課題/領域番号 26463375
研究機関浜松医科大学

研究代表者

武田 江里子  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (60448876)

研究分担者 木村 幸恵  浜松医科大学, 医学部, 助教 (10725758)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード養育者 / 愛着 / 養育 / 育児不安 / SAT法 / 育児支援
研究実績の概要

本研究は、育児不安に対する予防的介入および養育者としての発達を促す支援としてSAT法(Structured Association Technique、宗像:2007)の効果を検証し、具体的活用方法を構築することを目的としている。

1.現状調査として母親が期待する育児支援とそこに関連する要因を調査した。1か月から1歳6か月の子どもを持つ母親を対象に、「期待する支援」「気質」「愛着-養育バランス尺度(養育者としての発達状況)」の質問紙を配布し回答してもらった。3月末時点で700名の母親の回答が得られている。現在、期待する支援に関連する要因(外的要因)と内的要因として母親の気質および養育者としての発達状況との関連を分析中である。
2.SAT法を育児支援に活かす学習会プログラムを構築するため、その事前準備として、育児支援に関係する保健医療者を対象に、SAT法に関して説明し理解を促した。市で行われている子育て支援センター連絡会に2回参加し、SAT法についての概略と子育て支援への活用について説明し、今後の学習会への参加を案内した。支援センターのリーダー的な人と研究分担者にはSAT法のセミナーに参加してもらい、理解を深めてもらった。また、SAT法開発者の宗像恒次氏を招いて講演会を行い120名が参加した。講演会後のアンケートでは約3割の人が今後の学習会への参加を希望した。26年度では学習会の実施までには至らなかったが、その準備として近隣の保健医療者に対してSAT法を周知することができたと言える。
27年度は学習会を開催し支援者の育成を行っていくとともに、妊婦を対象にSAT法を用いた母親学級をパイロットスタディとして行う。SAT法の効果を検証するため、通常の母親学級前後とSAT法を用いての母親学級前後にそれぞれアンケート調査を行い比較する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.分析には至っていないが、配布は全て終了している。約700名(回収率約50%)の母親から回答が得られており、配布・回収の際も特に問題なく、調査は順調に進んでいると言える。27年度中には結果を公表し、今後の子育て支援プログラムに活かしていけると考えている。

2.学習会の開催には至ることができなかったが、講演会の開催、支援センター連絡会での説明等は実施することができ、事前準備としてSAT法の活用の有用性についての理解は得られたと考える。学習会のスムーズな開催のためには26年度のSAT法の周知は効果的であったと考えるため、おおむね順調と判断する。

今後の研究の推進方策

1.母親の期待する支援の内容とそこに関連する要因(外的要因と内的要因)の関連を分析していく。内的要因同士の関連やそれぞれの関連をみることで、子育て支援として何が必要かを検討し、外的要因・内的要因を含めてモデル化を試みる。その後、モデル化した内容から、産後の支援として産後1か月時に配布するためのSAT法を活用したリーフレットを試作する。

2.SAT法の学習会を行う。第1回学習会として4回コースで設定している。対象者の反応や支援としての有用性について参加者から意見を募り、効果的な学習会プログラムを構築していく。

3.妊婦を対象にSAT法を用いた母親学級のパイロットスタディを実施する。効果については、通常の母親学級前後の調査とSAT法を用いた母親学級前後の調査を行い比較し検証する。結果をもとに今後の母親学級のあり方(方法)について臨床の方と検討していく。

次年度使用額が生じた理由

国際学会(ICM 30th Triennial Congress International Confederation of Midwives)に参加するための経費として研究計画の中に入れていたが、他の用事と含めての海外出張となったため、科研費から捻出することができなかった。また、学習会の実施が遅れたため、学習会のための物品を購入していない。海外渡航費および学会参加に関する経費分と学習会に必要な物品の購入費が次年度へ繰越しとなっている。

次年度使用額の使用計画

次年度の国際学会への参加経費に当てるとともに、研究分担者の国際学会参加のための経費として使用する。また、学習会実施のための物品(プロジェクター等)の購入費として使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 産後1年までの母親の「愛着-養育バランス」の特徴2015

    • 著者名/発表者名
      武田江里子、小林康江、弓削美鈴
    • 雑誌名

      母性衛生

      巻: 55 ページ: 689-699

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 知っておくことで育児のしやすさにつながる産後1か月時の母親の気持ち―ブループインタビューによる母親の気持ちの抽出―2015

    • 著者名/発表者名
      武田江里子、弓削美鈴、小林康江
    • 雑誌名

      日本母性看護学会誌

      巻: 15 ページ: 18-25

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「愛着-養育バランス」尺度短縮版の作成と信頼性・妥当性の検討 乳幼児健診での<気になる>母親との関連から2014

    • 著者名/発表者名
      武田江里子
    • 雑誌名

      小児保健研究

      巻: 73 ページ: 783-789

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 1歳6か月児健診の要フォローケースの母親の「愛着-養育バランス」と希望する支援2015

    • 著者名/発表者名
      武田江里子、小林康江
    • 学会等名
      第29回日本助産学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-03-28
  • [学会発表] 児の月齢別の育児相談理由と「愛着-養育バランス」尺度短縮版との関連2014

    • 著者名/発表者名
      武田江里子、小林康江
    • 学会等名
      第55回日本母性衛生学会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2014-09-13

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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