研究課題/領域番号 |
26463376
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
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研究分担者 |
玉木 敦子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (90271478)
内藤 紀代子 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 講師 (30433238)
土川 祥(山下祥) 滋賀医科大学, 医学部, 助産師 (40534201)
寺坂 多栄子 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (60712099)
桑田 弘美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70324316)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プレママ / プレパパ / 両親教室 / メンタルヘルス / 育児 / 産後うつ |
研究実績の概要 |
本年度の目的は、妊娠末期~産後1ヶ月の夫の関わりに対する妊婦の満足度、抑うつ状態の変化、妊婦の抑うつを軽減するための夫側の要因、産後うつに関する認識の程度を明らかにすることであった。 研究準備として本学倫理審査に申請し承認を得た。両親教室にて調査を実施し、データ分析を行った。また、滋賀県助産師会との調整を行い、平成27~28年度の調査に向けての調査準備を進めた。 研究デザインは、質問紙調査とし、妊娠期~産後1ヶ月の縦断的調査を行った。対象は、両親教室に参加した産科的異常・合併症が無い妊婦とその夫150名を予定していたが、今年度は夫のみのデータを収集した。夫の調査内容は、妻への関わり(妊娠期の妻への夫の関わり満足感尺度)、胎児への愛着(父親胎児愛着尺度)、乳児への愛着(Maternal Attachment Inventory日本語版)、自己効力感(特性的自己効力感尺度)、育児状況11項目とした。調査結果より、妊娠中の夫婦のコミュニケーションの重要性、父親の児に対する愛着の関連要因が示された。 一方、妻(妊婦・褥婦)については、平成23~25年度に収集したデータからの2次分析を行った。妊婦・褥婦のデータ分析では、夫と並ぶ重要他者である実母に焦点を当て、実母の心身の健康状態とサポート状況、妊婦・褥婦の抑うつ状態、サポートに対する満足感について分析を行った。褥婦と実母のサポートに関する気遣いの認識にはズレがあること、褥婦の満足感とサポート提供者の健康状態との関連性が示唆された。 上記の結果をもとに平成27~28年度の調査方法・評価内容の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度には大学院生が中心となり夫を対象とした調査を実施し、妊娠末期と産後1ヶ月の父親の縦断データを収集した。この結果より妊娠中の夫婦のコミュニケーションの重要性が示唆された。これに関しては、平成27年度に関連学会にて成果報告の予定である。 また、調査を行った両親教室(パパママ教室)は、滋賀県助産師会が地方自治体より委託されている事業であるが、研究者らは運営に協力することにより、次年度以降の調査に向けての協力体制を調整することができた。 妊婦・褥婦に関しては、産後1ヶ月のサポート状況と、サポート提供者の心身の健康状態、サポートを受ける褥婦の満足感、抑うつ状態に焦点をあてて、既存データの2次分析を行った。この結果を受けて、平成27~28年度の介入内容、評価項目を検討することができた。これに関しても平成27年度に関連学会にて成果報告の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果を受けて、平成27年度には対照群の調査、平成28年度には介入群の調査を行い、介入群と対照群との比較から、プログラムの妥当性を検証する。研究デザインは、介入研究とし、妊娠期~産後1ヶ月の縦断的調査を行う。対象とリクルート方法は、両親教室に参加している産科的異常・合併症が無い妊婦とその夫300組とする。対照群は通常の両親教室を実施する。介入群は既存媒体、および平成26年度の結果から作成した媒体を用いて、親になる過程、産前産後のメンタルヘルス、夫の役割等の情報提供を行う。評価方法は、妊娠期と産後1ヶ月に質問紙にて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は調査を実施するにあたり、補助員の雇用を予定していたが、研究メンバーと大学院生にて実施できたことにより、謝金が少なくなった。また、2次データの分析を行ったために、郵送費が予定額よりも少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27~28年の調査では、両親教室での調査を効率的に進めるために、複数名の補助員を雇用する予定である。また、郵送にて調査を行うために、26年度分を併せて使用する予定である。
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