研究課題/領域番号 |
26463377
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
秋鹿 都子 島根大学, 医学部, 准教授 (90342279)
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研究分担者 |
山本 八千代 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10295149)
宮城 由美子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20353170)
伊東 美佐江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00335754)
森山 美香 島根大学, 医学部, 講師 (50581378)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アレルギー |
研究実績の概要 |
平成26年度は、食物アレルギー(以下、FA)児の家族のFA対応力の実態と、その関連要因を明らかにすることを目的に、FA児を養育する母親を対象とした無記名自記式質問紙調査を実施した。 回収された調査票のうち280名を分析対象とした(有効回答率45.0%)。母親の平均年齢は33.6±4.6歳、子どもの平均月齢は35.6±19.8カ月、男女比は1.7:1であった。除去品目(重複回答)は、鶏卵255名(91.1%)、牛乳153名(54.6%)、小麦78名(27.9%)、ピーナッツ32名(11.4%)、甲殻類26名(9.3%)、大豆23名(8.2%)等だった。除去品目数は、1品目91名(32.5%)、2品目90名(32.1%)、3品目47名(16.8%)、4品目30名(10.7%)、5品目以上22名(7.9%)で、1名あたりの平均除去品目数は,2.3±1.3品目だった。 母親のFA対応力の全体スコアは3.42±0.55だった。因子別スコアは「ストレス対処」2.96±0.86、「除去食技術」3.57±0.96、「医療者からの情報収集」3.45±1.03、「FAの知識」3.44±0.74、「夫の協働」3.70±1.00だった。小麦除去ありとした母親は,除去なしとした母親より「除去食技術」のスコアが低く,除去食の献立を考えることや実際の調理を負担と感じ、それらを難しいと感じていた。「除去食技術」のスコアは,除去品目数の増加によっても低下する傾向にあった。また、「除去食技術」と子どもを連れて出かけること(外出,外食,旅行)の不自由,食物アレルギー児を育てる上でのストレス,には負の相関が認められた。 小麦が利用できないこと、除去品目数の増加は、母親の「除去食技術」を低下させ、食物アレルギー対応力を低下させる要因のひとつであると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度に実施予定としていた小児看護に従事する看護師(小規模医療機関に所属する看護師、准看護師を含む)を対象とした調査(①看護師の食物アレルギーに関する知識、②看護師の育児支援に対する認識、態度、③看護師の食物アレルギー児の家族の心情理解の状況、ケア意欲、④看護者の食物アレルギー児家族への看護支援の内容等)が、協力施設の選定に時間を要したため行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に実施予定であった、小児看護に従事する看護師がFA児の家族に提供している看護支援の実態と看護師の認識に関する調査を、すみやかに実施する。 併せて、平成27年度実施予定のアレルギー専門医と「小児アレルギーエデュケーター」である看護師に対する調査に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に実施予定としていた小児看護に従事する看護師(小規模医療機関に所属する看護師、准看護師を含む)を対象とした調査(①看護師の食物アレルギーに関する知識、②看護師の育児支援に対する認識、態度、③看護師の食物アレルギー児の家族の心情理解の状況、ケア意欲、④看護者の食物アレルギー児家族への看護支援の内容等)が、協力施設の選定に時間を要し、行えなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
①小児看護に従事する看護師への質問紙調査:人件費(資料整理等)200,000円、その他(資料作成、通信費)213,407円 ②専門医(日本アレルギー学会専門医・指導医)と、日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会認定の「小児アレルギーエデュケーター」である看護師の合計15名程度に対するインタビュー調査:旅費(打ち合わせ、調査、発表)260,000円、人件費(テープ起し)240,000円
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