研究課題/領域番号 |
26463379
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村上 京子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294662)
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研究分担者 |
沓脱 小枝子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50513785)
飯田 加寿子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40403399)
辻野 久美子 琉球大学, 医学部, 教授 (60269157)
伊東 美佐江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00335754)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高年妊娠 / 出生前診断 / 家族看護 / 意思決定支援 / 看護倫理 / 継続教育 |
研究実績の概要 |
遺伝医療の進歩に伴って、遺伝カウンセリング体制の整備と共に患者・家族の「情報選択」と「意思決定」を支援する看護職の役割は大きい。特に周産期・小児看護領域における看護者は妊婦・家族のリスク認識を知り、高い倫理観と家族間の意見を調整する能力が求められる。 本研究では、「高年妊娠」における妊婦と夫(家族)の意思決定について知り、看護者による家族の調整を明らかにする。さらに、倫理的側面や家族看護の視点から事例検討を行い、遺伝看護や家族看護に関連した卒後教育の教材を作成することを目的とした。 平成28年度は「高年妊娠」に対する妊婦と夫(家族)の意思決定に関する質問紙調査を実施し、施設においてデータ収集を行っている。 これまでの調査から挙がってきた「先天異常があった児の退院支援」に関する事例検討会、遺伝看護の専門家による講演、海外の研究者による家族間のジェネレーションを題材とした講演会の3回のワークショップを開催した。また、日本遺伝看護学会学術集会や関連のセミナーに出席し最新の知見を得るとともに、専門職および一般の人々の意見を広く知る機会を得ることができた。価値観の異なるクライエントの意見を聞き、調整を行うためには関係調整技術としてのソーシャルワーク技術を用いることが有用であると考えた。 今後は看護職を対象とした調査を進めるとともに事例検討会を重ね、遺伝看護の教材や継続教育をさらに検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高年妊娠で出産した女性を対象とした調査では施設における倫理審査手続きに時間を要し調査の開始が遅れた。そのため、看護職に対する調査の着手も遅れている。 海外の研究者による講演を予定しているが、研究者の退職等により調整が遅くなった。
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今後の研究の推進方策 |
高年妊娠で出産した女性に対する調査は引き続き、データ収集を行っていく。 看護職を対象とした家族間の調整については、文献レビューを深めるとともに面接調査を実施する。また、意思決定支援に関する内容、および周産期に接する頻度が高いと予測される遺伝性疾患に関し、文献レビュー調査を実施する。 さらに、引き続き事例検討会を実施し、教材の検討を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初に予定していた看護職に対する家族間の調整に関する面接調査が遅れ、次年度に実施を計画したため。 また、事例検討ワークショップにおいて海外からの講師招聘を予定していたが研究者が退職となったため講師を一部変更して実施した。そのため、研究分担者の参加も一部、次年度計画とした。
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次年度使用額の使用計画 |
海外からの講師招聘のための旅費、および調査のための文献費用、旅費とする予定である。
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