平成27年度に実施した【研究Ⅰ】と【研究Ⅱ】のデータ分析を行った。小冊子の記入内容と面談逐語録から、「体験の想起」「体験の再構成」「体験の価値づけ」「過去の自分または家族の価値づけ」「未来の自分または家族の価値づけ」に該当する部分を抽出した。「体験の想起」が小冊子に記入する「家族に起こった特別な出来事」を決定する段階から始まり、出来事について語ったり、出来事に対する家族の気持ちに対する自身の思いを語る中で具体化された。「体験の再構成」「体験の価値づけ」「過去の自分の価値づけ」は連続的に起こっており、出来事について語る自分自身の言葉、または出来事に対する家族の気持ちや受け止めを初めて知ることがきっかけであった。小冊子の記入を通して自分自身の内面でこれらが行われたことを面談で語る場合もあった。「過去の家族の価値づけ」は、出来事に対する家族の気持ちや受け止めを初めて知ることにより、改めて家族の価値に気づくことが多かった。「未来の自分または家族の価値づけ」は、最終的に価値ある自分たち家族の体験を誰かのために役立てたいと希求することに繋がっていた。 【研究Ⅲ】では、看護管理者及び介入実施看護職による専門家会議により、本介入を実施須r看護職の基準を決定した。それは、育児上の特別な配慮を要する乳幼児とその家族に対するケア(退院支援、育児支援など)に関する十分な看護実践経験を有し、家族のアセスメント能力および家族・集団を対象としたコミュニケーションスキルを有していることと、乳幼児と家族が受ける看護サービスに従事し、乳幼児や家族との信頼関係が構築されていることであった。 【研究Ⅳ】では、これらの研究成果をもとにガイドラインを作成した。
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