研究課題/領域番号 |
26463385
|
研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
塩澤 綾乃 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (20551435)
|
研究分担者 |
清水 嘉子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (80295550)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 乳児に付き添う母親 / 母乳育児支援 / プログラム / 小児病棟看護者 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、入院中の乳児に付き添う母親に対する母乳育児支援の必要性に関する看護者の認識を明らかにするために、県内3施設の小児病棟に勤務する看護者91名を対象に、本学倫理委員会の承認を得て、自己記入式調査用紙を行った。調査内容は、付き添い中の母親への母乳育児支援に対する認識、付き添い中の母親から母乳育児や乳房トラブルの質問をされた場合の対応の認識である。調査用紙の回収率は48.4%で、得られた結果の統計処理および記述内容の質的分類を行った。 看護者の平均年齢は34.0±10.0歳、小児病棟勤務経験年数は6.4±6.2年であった。母乳育児支援に対する認識では、93.0%の看護者が母乳育児支援は必要と考え、97.7%が母乳育児支援の知識を身につける必要性があると考えていた。母乳育児や乳房トラブルの質問をされた場合の対応の認識では、母乳産生や分泌維持に影響する要因について詳しく助言できる、乳房トラブルの相談をされた場合、乳房の観察ができる、乳房トラブルの対処方法を助言できると答えた看護者は全て30%以下であった。母乳育児支援が必要と考える主な理由は、「母親の支援も小児看護だと思う」「母乳育児を継続することで母子の愛着形成が促進される」「直接母乳が未確立のままNICUなどから入院するケースがある」などがあった。特に身につけたい母乳育児支援の知識は、母乳育児や乳房トラブルの相談をされた時の対処法、乳房の観察方法、効果的な搾乳方法であったが、現状として、勉強会に参加する機会がないことや業務が多忙で母乳育児支援の時間が確保できないこと、知識不足による母乳育児支援の自信の無さなどの課題があった。 以上より、看護者に対する母乳育児支援の学習の機会を提供することで、適切な対処法や助言の仕方、産科助産師への対応依頼の見極めの目安などを身につけ実践することができると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では、小児病棟に勤務する看護者を対象に母乳育児支援研修会を実施し、評価を行う予定であったが、研究に割く時間の確保が難しく、質問紙調査の実施時期が遅れたため、分析も遅れた。現在、看護者向け母乳育児支援プログラムの内容を検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
1.分析の結果から、小児病棟に勤務する看護者対象の母乳育児支援研修会の実施に向けてプログラム内容の精査を行う。研修会を開催する研究者が看護者にとって必要と考える母乳育児支援プログラム内容と看護者のニーズを整理する。 2.小児病棟に勤務する看護者対象の母乳育児支援研修会の実施後の評価アンケート作成研修会終了後母乳育児支援が必要とされる母親に対して、研修会で行った内容を看護者に実践してもらい、自己評価をするための調査内容を検討、調査用紙を作成する。 3.小児病棟に勤務する看護者対象の母乳育児支援研修会の実施。質問紙調査を行った施設に依頼し、協力が得られた施設において、乳児に付き添う母親に対する母乳育児支援研修会を実施する。開催にあたっては、施設長、病棟責任者、スタッフと十分な打ち合わせを行う。開催時間は、質疑応答も含めて1時間半程度とする。講師は研究代表者および本学連携研究員の2名で行う。 4.看護者の自己評価で得られたデータの入力と分析。看護者の自己評価内容からプログラム介入の成果や課題を明らかにする。分析にあたっては、本学研究分担者とともに行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
小児病棟に勤務する看護者への母乳育児支援研修会の開催を予定していたが、次年度に延期されたため、請求額の全額を使い切る事がなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
小児病棟に勤務する看護者への母乳育児支援研修会の開催における物品費、旅費、アンケート調査に必要な事務用品の購入、通信費および、学会発表や報告書作成に使用予定。
|