研究課題/領域番号 |
26463391
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研究機関 | 九州看護福祉大学 |
研究代表者 |
松本 鈴子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (30229554)
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研究分担者 |
嶋岡 暢希 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (90305813)
岩崎 順子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584326)
三好 美映子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (40712261) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 出産体験 / トラウマ / レジリエンス / 尺度開発 / 予備調査 |
研究実績の概要 |
看護者は、女性の出産体験に伴う心理的苦痛の長期化やPTSD発症を防止するために、女性自身の持つ力、つまりレジリエンスを捉え、看護介入することが重要である。早期に看護介入することは増加している産後うつ病や家族関係の障害・虐待の予防に、さらには、次の妊娠・出産計画にも寄与すると考える。 そこで、本研究では、出産に関連した苦悩の出来事によって引き起こされた女性のトラウマ体験を乗り越えられる力を測定するためのレジリエンス尺度を開発することを目的とした。尺度項目は、出産に伴うトラウマ体験後十数年経過した女性が苦痛の出来事を乗り越えた体験、および、既存のレジリエンスに関する研究結果をもとに36項目を選定し、助産師及び医師と表現等について検討した。その後、学内の倫理審査委員会の承認を得て、熊本県内の保健センター3施設に来所された出生後3か月~4か月乳児健診を受ける母親を対象に質問紙調査を実施した。その質問紙の内容は出産方法や出産の出来事などの基本情報、選定したレジリエンス36項目、そして、選定したレジリエンス項目を検討するために、既存の改訂出来事インパクト尺度(IES-R)、特性自己効力感尺度、二次元レジリエンスの測定尺度とした。 分析はSPSS.ver.25統計パッケージを用いて分析した。その結果、女性の出産に伴うトラウマを乗り越えられる力を測定するレジリエンス尺度の項目の構成が明らかになった。 今後は調査時期および調査対象を拡大して継続研究をし、信頼性・妥当性を検証すること、そして、妊娠期から女性が自ら持つ力を自覚し、女性として、親としての自尊感情や自己効力感を高められるように、開発したレジリエンス尺度を活用したケア介入の効果を実証していくことが示唆された。
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