本研究は転倒歴と足趾機能、姿勢制御能力との関連性を明らかにすることを目的とする。研究は、平成26年度から27年度にかけて実験①妊娠期における足趾機能、姿勢制御能力と転倒との関連性を実施し、平成28年度においては実験②妊娠期での転倒予防に対するトレーニング介入の効果検証とする。 平成27年度では、26年度から継続して①フットプリンタによる足趾形状計測、②重心動揺計を用いての姿勢制御能力計測、③足趾把持力計測、④アンケートによる転倒調査について妊婦83名を計測した。 妊娠末期において静止立位時での矩形面積が有意に増加し、安定性面積、安定域前後径、前方移動量が減少していた。転倒アンケートからは10名の転倒経験者が確認でき、転倒経験者は、非転倒者と比べ、体重と腹囲は小さいが腹囲・体重の増加率が大きい傾向にあった。また矩形面積を見ると後方と左方で有意に増加を示し、後方に重心が移動しやすい立ち上がり‐しゃがみ動作や片脚立位、歩行時での単脚期において転倒の危険性があることが示唆された。 足趾との姿勢制御の関連については、妊娠時期、転倒経験の有無においても相関がみられなかった。
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