研究課題/領域番号 |
26463400
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山本 洋美 帝京大学, 福岡医療技術学部, 准教授 (50441572)
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研究分担者 |
大池 美也子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284579)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Bed Rest治療のハイリスク妊婦 / ケア実践仮説モデル / 尺度項目検討 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はBed Rest治療のハイリスク妊婦の主体性を支援するための「ケア実践モデル」を開発することである。平成26年度の計画では、ケア実践仮説モデルを提示し、ケア実践仮設モデルから尺度開発のためのアイテムプールを作成し、尺度項目の検討を行うことである。本研究の実施としては、先行研究、文献検討により、Bed Rest治療中妊婦の共通するケア、妊娠期の主体性を支援するためのケアの特性を3つのコアから構成されたケア実践仮設モデルを作成した。ケア実践仮設モデルから、尺度開発のためのアイテムプールを作成するために、該当するケアを文献、様々な尺度から抽出し合計271の質問項目が得られた。これらの質問項目の意味内容の重複や表現について、質問項目がケア実践仮説モデルと照らし合わせて適切か共同研究者間で検討と修正を重ねた。次に、質問内容について、病院で10年以上勤務している助産師2名と助産学領域の教員1名によって、ケアとして適切であるかどうか、質問項目の意味を理解し回答が可能かどうか、意味に重複がないかについて検討し項目数を整理した。さらに、研究者4名で、質問項目の意味内容の確認、尺度項目としての適性、意味の重複や表現について検討し、項目の整理と表面的内容妥当性の3段階を経て検討し68項目のケアに削減された。 量的内容妥当性は、1年以上切迫早産入院妊婦のケアに携わっている看護職15名に対し、質問紙のケア項目の適切性を検討するために、質問紙調査を実施した。適切性の判断については、3以上を付けた回答者の割合を項目ごとに算出し、83%以上得られた場合を適切であるとするLynn(1986)の手法を用いた。適切性が確保されなかった項目3項目を削除した結果、合計65項目となり、これを尺度項目と決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度の計画として、1.「ケア実践仮説モデル」の提示を行う。そのために①先行研究、文献検討により、Bed Rest治療中妊婦の共通するケア、妊娠期の主体性を支援するためのケアの特性を明らかにする。②具体的ケア項目だけでなく、ケアの質に影響する因子(看護職の態度や施設、自己決定を促すためのケア)の検討③「ケア実践仮説モデル」の作成を行う。次に2.「ケア実践仮説モデル」から尺度開発のためのアイテムプールの作成、「ケア実践仮説モデル」をもとに尺度開発のためのアイテムプールを作成するが、最大限の項目をあげ作成する。(ケア実践仮説モデル、先行研究、ブレインストーミング等)さらに、3.尺度項目の検討アイテムプールを作成した後、専門家・エキスパート、Bed Rest治療のハイリスク妊婦のケアに携わっている看護職数名による批判を得て、項目を検討する。項目の検討は①表面的内容妥当性 ②量的内容妥当性でみるである。 達成度としては、この1から3項目は順調に進み、上記の研究実績の概要でも述べたが、尺度項目の表面的内容妥当性、量的内容妥当性も確認し、尺度の項目を決定するまでに至った。さらに平成27年度以降の計画であるBed Rest治療のハイリスク妊婦のケア尺度の開発のための調査対象者を募り、全国のBed Rest治療中妊婦が入院している338施設に研究依頼を行い、研究の承諾が得られた88施設にアンケート調査の配布を行っている。よって、達成度を27年度の計画も実施しているため、当初の計画以上に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、今年度と同様に計画に忠実に進めていこうと考えている。しかし、ほぼ全国のBed Rest治療中妊婦が入院している338施設に研究依頼を行ったが、承諾を得られた施設が2%という厳しい結果となった。その中で、回収率を考えると当初予定していた対象者の人数を変更せざる負えない状況になる可能性もあり、それについて懸念している。対象者がそろえば、平成27年度のケア尺度の開発、ケア実践モデルの構成要素の検討は順調に進むと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査のための人数の確保が難しく、予定の2倍以上の施設にお願いをすることとなった。 そのため、印刷代が予定金額の2倍以上となり、SPSSやAMOSの統計ソフトの購入が出来ずにこのような使用額が生じた理由となった。
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次年度使用額の使用計画 |
42571円と翌年度分とを合わせて、SPSSやAMOSの統計ソフトの購入を検討する。
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