研究課題
本研究は、思春期を対象とした子宮頸がん予防を目指した教育プログラムの開発を目的としている。一つ目の計画は、思春期の対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種およびがん検診に関する現状と課題を明らかにすることである。平成29年度はA県内の高校生を対象としたアンケート調査を行い、思春期の対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種とがん検診に関する現状と課題について明らかにした。頸がんワクチンの接種状況は13.7%と低く、ワクチンを受けていない理由は、1.副反応が怖い(40%)、2.ワクチンについて知らない(27.4%)、3.周囲から受けない方がいいと言われた(12.6%)、4.費用がかかる(11.6%)の順に多かった。ワクチンを接種した生徒のうち、30.8%に副反応があったと回答し、注射部位の腫脹と疼痛、関節痛であった。がん検診については、検診に行くと回答したのはわずか9.5%で、7割以上が行くかどうかわからないと回答していた。「検診に行かない」または「わからない」と回答した理由は、1.検診について知らない(46.3%)、2.検診が怖い(21.1%)、3.検診をどこで受けるかわからない(17.9%)であった。二つ目の計画は、子宮頸がん予防のための保健行動を自らとることができるアサーションの視点を取り入れた教育プログラムの開発である。三つ目の計画は、その教育プログラムの効果を検証することである。平成26~27年度にかけて開発した生命教育および性教育プログラムから、平成28年度には生命教育と性教育の教材作成に向けて、A県内の中学校の養護教諭からの意見を基に、育する場所や内容を選択でき、繰り返し観ることができるDVDの作成を行った。 平成29年度はこのDVDの効果の検証を行い、助産学生が実際に演じた劇と同様に、教材ツールによって生徒の自尊感情や対児感情が高まることが検証された。
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