研究課題/領域番号 |
26463402
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研究機関 | 東京純心大学 |
研究代表者 |
竹元 仁美 東京純心大学, 看護学部, 教授 (10310913)
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研究分担者 |
山本 八千代 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10295149)
泉澤 真紀 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (50468310)
笹尾 あゆみ 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (50722005)
前田 尚美 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (60407129)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 司法看護ケア / 性暴力被害者支援 / ワンストップ支援センター機能 / 性暴力被害者専門看護職 |
研究実績の概要 |
【研究成果】 平成27年度末まで、合計15名の性暴力被害者支援に関わっている、社医療職、司法職、福祉職等を対象として、インタビュー調査を実施した。ガイドラインに基づいて、司法、医療福祉専門職からみた看護職の性暴力被害者支援の現状と課題について聞き取り、内容を文章化した。次に、文章化されたインタビュー内容について、研究者(代表者と分担者)が、質的帰納的分析方法(Modified Grounded Theory Approach;木下康仁)を用いて、持続的比較分析を継続中である。現時点で、性暴力被害者を取り巻く現状についてえられた知見は、以下の通りである。司法看護ケアからの視点における性暴力被害者支援について:性暴力被害から医療機関への受診は警察を通して紹介されることもあるが、10年以上たって性暴力被害が開示されることも少なくない。そのため、PTSDなどで苦しむ期間も長期化し治療が困難になりやすい。警察や弁護士など司法へのアクセスはさらに困難な状況である。警察へ被害届を提出できたケースは、医療機関との連携が取れ証拠採取に至り、裁判への道も開かれており、裁判で勝訴する事例もある。司法側からは医療者側の対応に特に問題なく、医師による意見書なども有効である。他の課題として、医療職の対応に幅があり質の担保ができないこと、各ワンストップ支援センターで役割・機能が違うこと、ワンストップ支援センターが未周知であること等があげられた。研究の関連事業として、①北海道科学大学公開講座、②看護職ワークショップ”子どもと女性の性の健康支援”を開催した。 【研究の意義、重要性】 10年以上も被害者支援にアクセスできない暗数の性暴力被害者に対する、現在構築途上にあるワンストップ支援センターにおける、短期だけでなく中長期の医療福祉・司法司法看護ケアプログラムの作成および実質化について検討できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
性暴力被害者支援に対して、経験豊富な関係者のインタビューを実施できており、司法看護ケア教育作成へ重要な示唆を得られたため、次段階の司法看護ケアプログラムの作成に移行できる。
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今後の研究の推進方策 |
司法看護ケア教育プログラムの作成とワークショップの開催と成果評価
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の雑誌や図書が入手できなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度、代替雑誌や図書を購入する予定である。
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