本研究の目的は、妊娠末期に比較的重度の出産不安を抱く妊婦の自律神経活動を明らかにすることと、心拍変動バイオフィードバックの効果を検証することである。妊娠32-34週の健康な妊婦97名を対象として、出産不安、睡眠の質、疲労感に関する質問紙調査と安静時の心拍変動解析を行った。出産不安の高度な妊婦に対して、心拍変動バイオフィードバック法を3-4週間後履行してもらい、効果を検証した。その結果、重度の出産不安を抱く妊婦では、相対的な副交感神経活動の減少が認められた。心拍変動バイオフィードバックは出産不安の軽減効果がみられたが、自律神経活動、睡眠や疲労感に有意な変化はもたらさなかった。
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