研究課題/領域番号 |
26463419
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
野中 淳子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (00279796)
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研究分担者 |
米山 雅子(中林雅子) 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (10363847)
岡 澄子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (20305387)
内田 雅代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70125938)
古谷 佳由理 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90222877)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | きょうだい支援 / 小児がん |
研究実績の概要 |
1.平成26年度、“日本におけるきょうだい支援に関する研究の現状と課題”をテーマにして、日本国内の文献研究から現状を明らかにした。医学中央雑誌WEB(Ver.5)とサイニイを用いて1983年‐2014年8月迄に200件の研究論文得た。これらの対象者別に分析したところ、「障害」(60件)、「身体疾患・治療」(29件)、「周産期」(7件)、「入院形態」(20件)、「施設」(7件)、「そのほか」(5件)に分けられた。「身体疾患・治療」に含まれた「小児がん」は、2007年以降増加傾向で、関心の高さがうかがわれた。1992年頃からきょうだい研究が始まっており、年々増加傾向にある。論文の大半以上は障害児のきょうだいに関するものが占めていた。しかし、最近では小児がんや慢性疾患に関するきょうだい研究も増加する傾向にある。研究内容からみた分析結果(小児がんの同胞をもつきょうだい)では、「きょうだいは特に不安の高い集団ではなかったが、生活年齢に相当した成長はしておらず、精神的エネルギーの大きさは健常児に比べて消極的で、自己存在感が乏しい」ことが明らかとなっていた。また、「我慢強くなったという肯定的な変化がみられたきょうだいは、それと同時に不安を強く抱き抑うつといった否定的な変化を出現させる可能性がある」ということも明らかにしていた。きょうだいへの情報提供に関しては、「絵本を用いてきょうだいのわかりやすい言葉や絵で同胞の病気や入院の必要性について説明することで、混乱の消失につながり」、「同胞の状況が理解できなったきょうだいの中に、不適応を起こしたきょうだいがいる一方で、状況を理解していたきょうだいの中には、健康や命の大切さや他の痛みがわかるようになったり、家族の絆が強くなった」という子どももいたということも報告されていた。2.きょうだい支援のイベント企画(案)作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献研究した結果をもとに、平成27年8月に予定されている第12回国際家族看護学会オーデンセ大会(デンマーク)に、テーマ“日本におけるきょうだい支援に関する研究の現状と課題”として投稿し採用された。さらに、テーマ「病気の子どものきょうだい支援」について、小児専門病院ボランティアニュースに記事として掲載した。内容は、先に文献研究した内容を盛り込み、【病気や障がいのある子どものきょうだいの経験】【文献からみたきょうだい支援の歴史】【きょうだいへの支援の現状と課題】とした内容で、きょうだい支援の必要性について広報活動を行うなど、おおむね順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に行った文献研究の成果物を第12会国際家族学会(平成27年8月)にて発表する予定である。さらに、『きょうだいが主役になる日』イベントを小児専門病院(科研協力施設)において開催し、具体的なきょうだい支援を行い、きょうだい支援に関する問題や課題を明らかにしていく。そして、全国のきょうだい支援を行っている活動グループ調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
過去10年間における海外論文30件について、整理・分析継続中であるため、論文翻訳料について未使用である。
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次年度使用額の使用計画 |
海外論文の翻訳料として平成27年度に使用する予定である。
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