研究課題/領域番号 |
26463425
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
枝川 千鶴子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授(移行) (00363200)
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研究分担者 |
豊田 ゆかり 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授(移行) (20217574)
堀 美紀子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60321254)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療的ケア / 小児 / 訪問看護 / 熟練看護師 / 実践知 / 技 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療的ケア児に対し在宅生活を支える訪問看護師の日常の看護について、日々の経験の中で得られたコツや知恵・工夫などの実践知を明らかにすることである。小児の訪問看護経験が豊かな熟練訪問看護師を対象に面接調査と同行訪問による調査を実施した。 その結果、面接調査による対象者は9名で、小児看護の平均経験年数は16.4年、小児訪問看護の平均経験年数は10.1年であった。同行訪問調査による対象者は8名で、小児看護の平均経験年数は12.7年、小児訪問看護の平均経験年数は7.0年であった。訪問看護同行による訪問先の協力者となった子どものうち、医療的ケアを必要とする子どもは10名であった。気管切開、人工呼吸器、酸素療法、吸引、経管栄養などを必要としていた。 熟練訪問看護師の日常のケアによる実践知として、呼吸状態を触診で確かめながらケアを調整し呼吸の安定を図るなど、病態生理の知識を基にし自分の五感を通して、子どもが表現している身体状況をケアを通じて得ていた。また、ケアで得られる効果の評価を繰り返しながら身体機能の安定を図っていた。さらに、家族が嬉しいと感じる子どもの反応に対する思いを大切に見守り、日常の活動状況や子どもが過ごしたいように過ごせているかという、身体状況と生活のバランスを重視していた。 子どもの体調が変化した時は、母親の見方や気づきに敬意を払い見守るとともに、子どもの体調と母親の不安に対する早期解消に向けた対処が行われていた。 医療的ケア児に対する熟練訪問看護師の日常のケアには、子どもや家族との相互作用の中で、感覚を通して得られた情報をケアに生かし、家族の思いを重視した看護の積み重ねにより得られた実践知があった。
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