本研究の目的は、医療的ケア児に対する訪問看護師の日常の看護について、日々の経験の中で得られた実践知を明らかにすることである。小児の訪問看護経験が豊かな熟練訪問看護師を対象に、面接調査と同行訪問による調査を実施した。 その結果、病態生理の知識を基に自分の五感を通して、子どもが表現している身体状況を、ケアを通じて得ていた。また、ケアで得られる効果の評価を繰り返しながら身体機能の安定を図っていた。家族が楽しみにしている子どもの反応を大切に見守りながら、必要なケアのタイミングを図るなど、子どもや家族との相互作用の中で、感覚を通して得られた情報をケアに生かし、家族の思いを重視した実践知があった。
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