研究課題/領域番号 |
26463427
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研究機関 | 旭川大学 |
研究代表者 |
細野 恵子 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (20412877)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / 看護介入プログラム / 母親 / QOL / 自己効力感 / 生活管理 / 喘息コントロール / JPAC |
研究実績の概要 |
1.看護介入プログラムによる介入の開始:平成26~27年度にかけて「看護介入プログラム(試案)」の検討を継続し、「看護介入プログラム」を作成し、介入方法を確定した。その結果、平成28年4月より調査協力施設の開拓および協力依頼を行い、1施設からの調査協力の承諾を得ることができた。5月に当該施設の倫理委員会の承認を得て、6月より介入調査(非介入期→介入期)を開始した。介入期間は12~15ヶ月程度を予定し、現在、調査を継続している段階である。 2.看護介入プログラムの介入内容:非介入期は1回とし、看護介入プログラムの紹介を行い、参加の同意が得られた対象者には介入前の無記名自記式質問紙調査(4種類:JPAC・GSES・QOLCA-24・属性)を実施。介入期は6回の面接(2回目以降の受診ごと)を行い、最終の回では介入前に実施した質問紙調査を同様に実施。終了後には介入プログラム全体に対する母親の認識を確認する目的で面接調査を実施。介入期はJPACによるコントロール状態の確認、喘息症状に関する児の変化や関連するエピソードの情報交換。母親による喘息管理に対する課題と解決目標・具体的な解決策を確認する。面接時には喘息日記の紹介を行い、使用状況の確認も行う。 3.看護介入調査の実施状況:平成28年6月よりA総合病院小児科外来において介入調査を開始した。調査協力者の募集期間は2ヶ月間とし、調査対象者の条件を満たす16組の協力者(気管支喘息児とその母親)から承諾を得た。調査開始後から現在(平成29年3月末)まで介入調査を継続する者は10組(63%)、残り6組は途中段階で中断の申し出があった(37%)。3月末現在において、「看護介入プログラム」の全行程を終了した者は調査継続者10組のうち1組、残り9組は現在も調査を継続している段階である。残り9組の調査終了時期は平成29年8月頃の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況がやや遅れている理由は以下の2点が挙げられる。
1.平成26年度より「看護介入プログラム」の試案を検討し、「看護介入プログラム」の内容を確定するまでに約2年間を要したため、当初の予定よりも1年ほど遅れて介入調査を開始したことが大きな要因として挙げられる。一方、調査開始後は協力施設の開拓・倫理審査の承認・調査協力者の確保において、順調に進めることができている。
2.「看護介入プログラム」に基づく介入調査は順調に進行している段階だが、調査協力者の喘息コントロール状態の変動や受診間隔の変更(主に受診間隔の延長)に伴い、当初予定していた調査終了期間は若干延長する見込みである。その結果、介入調査により得られたデータ分析は平成29年4月より行う予定であったが、当初の計画よりも6ヶ月ほど遅れて開始することとなる。
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今後の研究の推進方策 |
1.「看護介入プログラム」による介入調査の継続 平成29年4月~8月にかけて、調査協力者9名の介入調査を継続していく予定である。介入期間は調査協力者の喘息コントロール状態の変動や受診間隔の変更に伴いさらに延長する可能性もある。 2.介入調査結果の分析・成果報告 介入調査の終了に伴い、順次データ分析を進めていく予定である。データは量的データ・質的データの2種類であり、分析し得られた結果をまとめていく。得られた成果は関連する学術集会の一般演題として報告する予定である。 3.課題研究期間の延長:介入調査結果の分析・成果報告の時期が当初の予定よりも遅れているため課題研究期間を1年間延長することを検討している。その結果、「看護介入プログラム」の修正の段階を経て、最終段階となる「看護介入プログラム」の構築につなげ、本研究課題の成果を報告することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の実施状況において、当初予定していた調査協力施設における研究補助員の確保や看護介入補助者の確保が困難な状況にあり、研究補助者・介入補助者を配置することができなかったことが理由として挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
①調査の実施:調査協力者への謝礼(図書カード),②調査結果のデータ分析:データ整理および分析補助員への謝金,③連携研究者との会議に係る費用(6~7回/年程度)および交通費,④成果報告:学会発表に伴う学会参加費・旅費・ポスター作製費など
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