1.看護介入プログラムによる介入調査の結果 児の喘息コントロール状態(JPAC)の変化では、9名中6名は得点の上昇/維持を示し良好なコントロール状態を認めた。一方、残り3名は得点の上昇/下降を繰り返し不安定な状態で経過した。母親のQOL(QOLCA-24)の変化では、9名中8名は得点の下降を示し、母親のQOLの改善を認めた。残り1名はわずかな得点の増加を示したことからQOLの改善を認めなかった。母親の自己効力感(GSES)の変化では、9名中5名は得点の維持/上昇を示し、母親の自己効力感の向上を認めた。残り4名はわずかな得点の下降を示したことから自己効力感の向上を認めなかった。介入調査終了後、本プログラムへの参加による変化を確認する目的で9名の母親に面接調査を実施した。調査結果の概要としては、喘息日記の継続から習慣化することにより服薬行動を確認でき、そのことが怠薬回数の減少につながることを認識していた。また、児自ら日記の記入を始めるようになった場合、本人が飲み忘れに気づき自ら服薬行動をとるように変化したこと、怠薬回数が減少すると児の体調が安定しその変化を児自身が自覚するようになったこと、体調の安定に伴い手洗い・うがいの感染予防に対しても児が意識するようになり、児自ら予防行動をとるように変化したことが示された。以上の結果からプログラムに参加した母親の反応としては、喘息日記の活用による効果(怠薬回数の減少と服薬管理の継続)、服薬継続による児の症状安定に対する自覚、客観的評価としてのJPACの意義の理解、JPACの活用、予防薬の意義の理解および服薬継続による効果に対する認識の変化が認められた。 2.研究結果の公表 学術集会一般演題での発表3件(国内:2件・海外:1件)、および交流集会での発表1件(国内)
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