研究課題/領域番号 |
26463435
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研究機関 | 四日市看護医療大学 |
研究代表者 |
別所 史子 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (50411046)
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研究分担者 |
山田 晃子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70588524) [辞退]
入江 安子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80342195)
増田 由美 四日市看護医療大学, 看護学部, 助教 (20747050)
鈴木 隆弘 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (10749435)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 重症心身障害児 / 姿勢のケア / 在宅 |
研究実績の概要 |
本研究では1)在宅重症心身障害児(以下、重症児)の姿勢のケアの実態と課題、2)日常生活に姿勢のケアを取り入れることによる有用性について検討した。H28年度は1)在宅重症児の姿勢のケアに関する実態調査の分析、2)在宅重症児に姿勢保持用具(Early Activity System; EAS)を用いた姿勢のケア介入及び分析を行った。1)に関して就学前の在宅重症児57名の分析より以下の結果を得た。①約9割が身体障害者手帳1級の認定を受け、約8割がお座り不可、要医療的ケア児が約6割であった。②座位保持装置使用には子どもの年齢、在宅期間、人工呼吸器使用が関連していた。③運動機能レベルが低いほど医療依存度が高く、運動機能レベルが定頸不可~お座り不可では訪問系サービスの利用が、寝返り可では通所リハビリの利用が多かった。④遊ぶ時の姿勢では、寝たままの姿勢では受容的な遊びが、座位では構成遊びの割合が多かった。2)に関して6例の介入調査(EASを用いて対象児の運動機能レベルに応じた姿勢と遊びを提案し、日常生活の中で実践してもらう) より以下の結果を得た。①開始前・3か月後・6か月後の養育負担感及び愛着-養育バランス得点の有意差はなかった。②姿勢のケアへのニーズは、子どもの健康問題(呼吸器感染、側彎進行や脱臼への懸念等)、年齢、反応の認識による変化があった。③姿勢のケアに対して、わが子の身体特徴にあわせた姿勢のケアのポイント、子どもの視界を意識する、意識して起こす等の認識が育まれていた。④24時間人工吸器管理中のケースでは訪問系のみ、それ以外は訪問系と通所系サービスを積極的に利用していた。以上から、運動機能レベルが低く医療依存度の高い重症児では在宅での姿勢のケアニーズが高く、子どもがより発達に必要な刺激を受け入れやすい健康状態を整え、母子相互作用を促進する姿勢のケアの有用性が確認された。
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