研究課題/領域番号 |
26463441
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
田村 康子 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (80326305)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 産痛緩和ケア / モロッコ / 介入研究 / 質問紙調査 / 内容分析 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、モロッコ国において産痛緩和ケア教育プログラムを実施し(11月下旬~12月)、プログラム終了後3ヶ月まで(3月)のデータを回収した。今回の研究では、プログラムの有用性を検討するために、産痛緩和ケアへの参加対象者である助産師の条件を拡大し、出産件数の多い大学病院を含めている。対象地域は3県であり、10月よりリクルートを開始した。研究参加の意思を示した助産師は30名、そのうち実際に質問紙に回答し教育プログラムを終えた助産師は24名である。教育プログラム開始前に辞退した3名の助産師は全員が私立クリニックに勤務しており、理由は仕事が忙しくプログラムの日程が合わないことと取り扱う分娩の多くが帝王切開術であり産痛緩和ケアの実施ができないというものであった。24名の助産師の勤務先は、大学病院5名、県病院11名、分娩施設つき保健センター8名である。教育プログラムは11月下旬から12月上旬にかけて4ヶ所/3県において、計6回実施した。教育プログラム前から終了後3ヶ月における質問紙およびインタビューの内容分析を進めているところである。先行研究では大学病院は対象ではなく、県病院勤務者も少なかったが、今回の研究ではその施設も含んでおり、産痛緩和ケアの実施状況は前回と異なる様相を見せている。モロッコにおける産痛緩和ケア教育プログラムを評価する上では貴重なデータと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の時期的な進み方としては計画の大幅な逸脱なく進行している。研究対象者のリクルート数に関しては計画よりもやや少ない人数となった。これは、モロッコ保健省における研究承認の手続きが遅れ時間を要し、リクルートをなかなか開始できなかったためである。渡航可能期間は限られており、その中で実施可能な人数で産痛緩和ケア教育プログラムを実施した。先行研究時はモロッコにおける研究承認は円滑であったが、関係部署の人事異動の影響でこれまでと全く異なる展開を見せた。研究対象者の人数は計画よりも少なくなったものの、対象者の勤務地は先行研究よりも拡大でき研究目的を遂行する上では大きな問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度はデータ収集を12月まで実施する。教育プログラム終了後6ヶ月(およそ6月頃)、9ヶ月(およそ9月頃)、12ヶ月(およそ12月ごろ)に質問紙回収確認、および電話によるインタビュー実施(6月、9月)予定である。12月に渡航し、全てのデータを回収すること、直接面談しインタビューを行う予定である。平成27年度のデータは既に回収しており、分析をすすめる。介入研究の介入部分はすでに終了しており、研究の進行を妨げる大きな要因はないと考えている。
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