研究課題/領域番号 |
26463443
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
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研究分担者 |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
大内 潤子 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (00571085)
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30299713)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 廃用症候群 / 看護介入 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、廃用症候群のある高齢者(以下、廃用症候群)に対する身体への看護が実際にどのように行われているかについて明らかにし、今後の廃用症候群高齢者の看護について検討する。方法は、療養型病床をもつ一般病院において、高齢者への看護を実践している看護師200名とした。調査内容は対象者の看護経験年数や年齢などの基本的属性と、高齢者への身体的な看護に関する教科書を参考に看護の関する質問紙を作成した。看護に関する内容は、看護目的別に【生活援助】【合併症予防】【回復看護】3つに対し、下位項目について合計38項目を設定した。これらの下位項目に対し、日常の行われる看護(以下、日常看護)について複数回答をもとめ、その回答からさらに重要と思われる看護(以下、重要看護)を3つ選択させた。分析は対象者を5年未満群と5年以上群、15年以上群に分類し、日常看護と重要看護の選択率を統計学的に分析した。その結果、看護経験年数別の人数は、最多人数が看護経験年数1年目の20名(10.9%)であり、3年目が17名(9.3%)、2年目が16名(8.7%)であった。日常看護では、全群において【合併症予防】の選択率が高く、特に5年目未満群の【回復看護】が他の2群より有意(p<0.05)に低く、【生活援助】は5年以上群より有意(p<0.05)に低かった。また、看護目的別に、重要看護の選択率と看護経験年数群との関連についてコレスポンデンス分析を行い、5年未満群が【合併症予防】と、5年目以上群が【生活援助】と、15年目以上群が【回復看護】が近い関係にあった。以上のことから、廃用症候群高齢者の身体への看護において【生活援助】【合併症予防】が重要であり日常的に行われていた。【回復看護】は看護経験年数の高い看護者が重要と選択しており、若い看護師の多い臨床においてこの看護が日常として定着していくための教育が今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査に関しては、全国の4施設の内容を論文に投稿中である。また、実践介入においては、協力病院において研修を終了し、介入実践と介入プロセスを実践中である。実践の記録類の充足が必要でありため再考中である。
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今後の研究の推進方策 |
協力病院での実践と記録の練習が必要であり、対象者の介入の変化を撮影や記録の取得中である。協力病院での実践は進んでいるが、記録をとることに不慣れのため、不備もあるため再度の訪問を予定している。また、今後、看護系の学会での発表を行う予定い、論文にまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度の調査において、予定していた調査協力病院の施設がすくなかったため、経費が抑えられたため、2015年度の繰り越しを行った。2015年度においては、その金額を足した金額で協力病院へ出向き説明と研修を行ったため、2016年への繰越金が生じた。2016年度には、現在の協力病病院への訪問と新規の協力病院への訪問を予定している。また、データ解析と論文投稿等の資金として計画している。
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次年度使用額の使用計画 |
現在協力している施設のある富山県、京都府、静岡県への訪問を3回、並びに新規での協力施設となる予定の宮崎県や香川県に訪問予定である。また、臨床データの解析のために予算を執行する予定である。
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