研究課題
平成28年度は、主に、平成27年度に実施した一次調査の自由回答の分析と、二次調査を実施した。一次調査は、特別養護老人ホーム入所者の医療処置を含めたケアの実態を把握し、看護職と介護職の連携状況、看護職と介護職が連携促進するために実施している内容等を明確にし、看護職と介護職の効果的な連携を検討することを目的とし、質問紙調査を実施したものである。看護職と介護職との連携に関する自由記載内容を、テキストマイニングソフトKHコーダにて係り受け頻度を解析した。その結果、看護職の記載内容で最も多かったものは「介護職-行う」「看護職-連携」がそれぞれ3件で最も多く、次いで「医療依存度-高い」「介護士-不足」「吸引-必要」「不安-思う」が2件であった。介護職では、「看護職-連携」が5件で最も多く、「連携-とる+できる」が4件、「情報-共有」「連携-必要」「一緒-考える」「一緒-行う」などが挙げられた。このことから、看護職は、特別養護老人ホームの入所者の医療依存度が高くなっている一方で介護士不足があることや不安を感じる現状があり、介護職としては看護師と連携し情報共有をしながら利用者へのケアを一緒に考え行いたいと思っていると考えられた。二次調査では、一次調査で看護職と介護職の連携状況を示す日本語版Relational Coordination(J-RCS)が良好である5施設において、各施設の施設長、看護職代表者、介護職代表者を3人1組としインタビュー調査を行った。その結果、各施設では、働きやすさを考慮した人員配置や、職員への教育、施設の設計段階からの作業動線の工夫など様々な配慮を実施していることが明らかになった。
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