研究課題/領域番号 |
26463466
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研究機関 | 西武文理大学 |
研究代表者 |
荒川 博美 西武文理大学, 看護学部, 講師 (50570131)
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研究分担者 |
加藤 基子 帝京科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60290053)
森實 詩乃 帝京科学大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70583954)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症サポーター / 認知症の人・家族 / サポートシステム / エンパワメント |
研究実績の概要 |
初年度である平成26年度は、認知症サポーターが、地域で暮らす認知症の人・家族のニーズに則した「身近な手助け活動」ができることを目的に、認知症サポーターの活動実態について調査した。A市内における認知症ポーター養成講座修了者の活動意欲・活動有無・内容についての把握を行った。多くのケースが活動において何らかの活動意欲・理解を示してはいたが、実際の活動には至らないことが多く、その理由についての分析、認知症サポーター活動推進チームのメンバーと意見交換を重ねてきた。特に活動意欲があるにも関わらず、実際の支援に躊躇する場合があり、認知症サポーターが、経験・体験を重ねることによる解決策を探っている。また、養成講座修了者から、認知症サポーターの交流ができる場が望まれていることが明らかとなり、認知症サポーターのたまり場づくりについて、その運営・方法の検討に入っている。認知症サポーターのたまり場については2段階構想とし、一段階目は、認知症サポーター養成講座修了者に対する上級講座として、次段階目として認知症サポーター活動の実践を支援するプログラムとしている。 一方で、家族の会の会員を中心にこれまでの介護経験についての調査を実施した。個別インタビュー調査を通じて認知症の人の介護で家族が困難だと感じること、手助けしてほしいことなどの分析を行っている。 サポートシステム構築プロセスにおいては、アクションリサーチの手法をとり、認知症サポーターの創ろうとする意欲へ働きかけ、地域住民・保健医療福祉の専門家がアクションを起こすための要因・要素を探るために、計画(plan)、行動(act)、観察(observe)、リフレクション(reflect)、再計画(revised-plan)のステップを踏んでいく。認知症の人、介護者、認知症サポーター、保健医療チームのメンバー等すべての参加者にとってのエンパワメントを図る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、認知症サポーターが、地域で暮らす認知症の人・家族のニーズに則した「身近な手助け活動」ができるためのサポートシステム構築プロセスを明らかにし、構築に必要な要因を検討することである。 目的の達成度については、おおむね計画どおりに進行していると考える。骨子となる認知症サポーター養成講座修了者へのアプローチ、認知症の人・家族が求める支援内容についての調査が終了している。当初の平成26年度計画で自治会・商店・交番・派出所との協力体制を作ることについては、実態調査を優先した結果、未実施として一部が残っているが今後の計画で調整が可能であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度においては、目的の後半部分でもあるサポートシステム構築プロセスを明らかにし、構築に必要な要因を検討することである。 具体的には、①認知症サポーター養成における教育プログラム(上級プログラム)の検討・実施、評価をする。②認知症サポーターが、認知症の方とのコミュニケーションなどの支援方法について体験的に学ぶ実践プログラムの作成・実施・評価である。 上記①、及び②のアクションリサーチの過程で、グループディスカッション調査、アンケート調査を実施する。認知症サポーターの学びを支援し、また、認知症サポーター活動へのエンパワメントを図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度計画の認知症サポーター養成講座修了者へのアプローチ、認知症の人・家族が求める支援内容についての調査と活動推進チームとの検討会を重ねる中で、優先して実態調査を実施してきたため、自治会・商店・交番・派出所との協力体制を作ることについてが先延ばしとなっていた。そのため、自治会・商店などを対象としたアンケート調査の未実施分が該当助成金として残っている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度後半において未実施の調査を実施する予定である。また、同時に、目的の後半部分でもあるサポートシステム構築プロセスの明確化と認知症サポーターへの支援過程において、地域住民・保健医療者を含めたシステム構築に向けての要素として組み入れていく予定としている。
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