本研究は認知症高齢者に構造的ライフレビューを提供し、個別のメモリーブックを作成する。過去を振り返る過程による効果の検証と、メモリーブックを家族やケアスタッフが日常会話に用いることによる変化を検討することを目的とした。 軽度から中等度の認知症高齢者でライフレビュー介入群30名と対照群30名によるランダム化比較試験を実施し、高齢者抑うつ尺度を用いた2要因分散分析から、介入群で抑うつの軽減効果が示された(F(1,116)=11.38、p= .001)。行動変容は有意ではなかった。多職種連携では、研究協力施設のケアスタッフ質問紙調査から認知症高齢者理解の深まりが示され、認知症研修講座開催に繋がった。
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